奇妙珍妙紀行

□少年少女
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振り向くとそこにいたのは銀髪で褐色肌の男の子。

吸い込まれそうなくらい綺麗なブルーの瞳が優しくこちらを見つめている。

「ありがとうせしる。
君のお陰で元に戻れたよ。」

「...てる...くん?」

震える声で尋ねるとゆっくりと首を縦に振る。

「てるくんッッ!!!!」

思わず抱きつくと優しく抱きしめ返してくれて涙が溢れる。

「うわぁぁぁんて"るくん"ー!!
よかったぁぁあ!!」

感情のままに泣きじゃくると、そっと背中をさすってくれた。

「本当にありがとうせしる、
でも一旦ここから出ようか。」

ハッと顔をあげると回りのお客さんが不思議な目でこちらを見ていた。

そしててるくんのちょっと困った顔。

司書さんも「あらあら...お熱いわね」なんて手を口にあてている。
途端に恥ずかしくなって

「そ、そうだね!そうだね!」

と繰り返し、てるくんの手を掴んでずんずんと出口へ向かった。
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