奇妙珍妙紀行
□ティー&シー
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「私、みんなと"おそろい"が欲しいんです!」
「...はぁ?」
話の意味がわからずみんな一斉に間抜けな声を出す。
「...ほら、私たちってチームというか、仲間というか...
同じクラスで文化祭とかにクラスTシャツを作るじゃないですか!
だから私もみんなとおそろいのTシャツが欲しいんですっ!」
「くらすてぃーしゃつ...」
「そうです!クラTです!」
「KURATYYYY?」
「なんだそれ?」
みんなの頭にますます?マークが増える。
(これは...ジェネレーションギャップだ...!)
相手は外国人&30代のサラリーマンだ、わからないのも無理はない。
──────────
「──っていうオリジナルのTシャツをみんなで作ったりするんですよ!
やってみませんか?」
「ほう...」
「せしるとお揃いとは嬉しいこったな」
「せしるが望むのならやってみようじゃあないか!」
「...いいよ。(カーズに服を着せるチャンスかもしれない)」
それぞれの考えが肯定へと結び付いていく。
...だが、
「せしると同じなのはいいけどよ、てめぇらとペアルックはお断りだぜ?」
ディエゴの言葉でプラスの空気が一転した。
「確かにディアボロと同じは嫌だな。
こっちまでセンスがおかしいと思われるよ。」
「なんだとォ!?」
「そうそう。おじさん達といっしょは嫌だぜ」
『おいディエゴォォ!!!』
そして再度ディエゴの一言によってラスボス達の追いかけっこが始まった。
ガタイのいい高身長×6(プッチさんは静観)が一斉に家を駆け回るものだから、見ているこっちも被害がこないかとひやひやする。
「ストップストーップ!!
ちょっとずつデザイン変えるからそれでいいでしょ!?」
なんとかみんなを説き伏せて、念願のTシャツ制作企画が始まった。
みんなにデザインを募集すると
「帝王の名に相応しい服にしろ」
「着ているだけで絶頂を呼ぶようなデザインがいい」
「なるべく平凡で目立たないデザインにしてくれ」
等々きりがなくなってしまうので、
デザインはすべてせしるが担当することになった。
(着ているだけで絶頂ってただの開運グッズじゃん...)