奇妙珍妙紀行
□チロルアラキ
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『インタビュー』
こんにちは、せしるです。
お陰さまでこの生活もすっかり慣れてきています。
荒木荘のみんなはとっても優しいし(学校のみんなには驚かれるけどね)、毎日楽しく過ごしています。
でもちょっとだけ気がかりなことが。
それはDIOさん。
活動時間が逆なので他のみんなと比べるとDIOさんとは会話も少なめなんです。
私が起きたときにはもう棺桶の中だったりすること多いので夕方家に帰ってから寝るまでが接することができる時間です。
ということで今日、DIOさんに聞きたいこと、話したいこと思いきってぶつけてみようと思います!
「あの...DIOさん」
「ん...?」
「ちょっと、じゃあなくてたくさんお話しませんか?」
「急に改まってどうしたんだせしる。
まぁ良い、隣に座れ。今日はたっぷりと時間をとってやろう。」
「ありがとうございます!では早速...「なぁ、君も一緒に話さないかい?」
DIOさんが呼んだのはもちろんプッチさん。
想定してはいたけど早すぎませんか...!?
「もちろんだよDIO。
そういえば、この前話した芸術が持つ力についてだけど最近美術館に──」
─────────
「──なるほど、だからか。
私は少々それを甘く見ていたようだ。」
「限界突き詰めて完成したものなのだろうね。やはり強い想いを感じるよ。」
「それに時をさらに遡ればヘレニズムは───」
────────
「──うん、彼らが独自の文化を築けなかったのも頷けるよ。
そんな角度から見たこともなかった。つくづく君の考えには感心するよ。」
「そんなに持ち上げるのはよしてくれ。
君だってさっきの───」
(ダメだ止まらない...ッッ!!)
DIOとプッチが話しにはなす。
せしるは全くついて行けず二人の会話のキャッチボールを眺めるのみ。
そしてせしるはすべてを悟った仏のような顔でそっとその場を離れ、リビングへ向かった。
ディエゴといっしょにテレビでも見よう。