奇妙珍妙紀行
□アンバー
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「やあ、小さいおじょうさん。
どうしてこんなところで泣いているんだい?」
顔をあげると、ふわふわフードを被った...
「うぅっ、おねえさん...だあれ?」
「残念ながら私はおにいさんなんだ。
いや、おじさんかもしれないけどね。」
「おにいさん...うわぁぁん!」
おにいさんはせしるの身長までしゃがんで
「よしよし、いい子だからどうして泣いているのか話してごらん?」
「うぐっ、えーーーん!」
「おやおや...
よーし、博士が君に素敵なものをあげよう!目をつぶってごらん?」
言われた通りにぎゅっと目を閉じるせしる。
耳の横を何かが通り過ぎて...
「──はい、目をあけてごらん。」
「...?ちゃいろのペンダント...??」
「そう。その茶色は"コハク"といってね、むかーしむかしの地面の中から出てくる宝石なんだよ。」
「...ほうせき!?すごーい!!」
「喜んでくれたかい?」
「うん!おにいさんありがとう!!」
おにいさんはにこにこしながらすっかり笑顔になったせしるの頭を撫でた。