奇妙珍妙紀行
□ラスボス流護身術
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新しい住居に引っ越してしばらくした。
でも結局荒木荘で寝泊まりするし、衣食住はほとんど荒木荘。
(だって吉良さんのご飯おいしいんだもん。胃袋つかまれちゃったよ...)
バレエをするとき、ディアボロに迫られたとき、一人の時間が欲しいときなどに使っている。
そしてついにあの約束が果たされる───
カーズさんといっしょに雑誌を読んでいた。
「せしる、今日は何も予定はないのか?」
「うん。六時間だったしもう夕方だからね」
「それはよかった。
ではこれから!!せしるにディアボロの起こし方を伝授するッ!!!」
(うげっ...ついにきたか...)
「なんだそれ!俺!?」
パソコンをいじっていたディアボロが押し入れから出てくる。
「これからせしるに秘伝の技を伝授する!
案ずるな、貧弱な奴でも簡単に、尚且つ強力なものをだァ!」
カーズさんのわくわくが頂点に達して小躍りしながらウィンウィンミュージックを歌い始める。
「俺は嫌だぞ!
お前らから毎日とんでもない起こし方されてるのにせしるにまで手荒な方法を教えるなんてッ!」
ディアボロが服を脱いでドッピオに代わろうとする。
「待てディアボロ、これは取引だ。」
カーズさんがディアボロに近づいて耳打ちをする。
「貴様、せしるのことを好いているのだろう?」
「うっ...だから嫌なんだよ!」
「逆に考えろ。もし私が教えた技をかけられたら、不意にせしるの胸や尻が当たるかもしれんのだぞ?
これは貴様が以前散々のたまっていた『らっきーすけべ』というやつではないのかァ?」
「くっ...」
そう言われると利益は大きい気がする。
ディアボロの心が揺れる
「...わかった。まぁ女の腕力なんてたかが知れてるからな。」
「いい返事だ。」
カーズの顔が怪しく歪むのをディアボロは見ていなかった。