奇妙珍妙紀行
□チロルアラキ
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『独身の謎』
私は荒木荘のみんなを知った気でいたけれど、まだまだ謎が多い事に気づいた。
例えば家族。
ディアボロにはトリッシュ、DIOさんにはジョルノやウンガロさんたち。
ファニーさんには奥さんがいて...
知ってるといえばこんなもので、ご両親の話は一度も聞いたことがない。
ということで。
「吉良さんってご両親にお中元やお歳暮は送らないんですか?」
新聞を読んでいる吉良さんにそこはかとなく聞いてみる。
ダイレクトには行かず少し遠回しに。
この前のカーズさんみたいになったら大変だ。
「...二人とも亡くなっている。」
「あっ、すみません...。」
「いや、気にしなくていいよ。」
またやらかしてしまったと申し訳なくなったが、あっけらかんとしている吉良さんに少しびっくりした。
「それに」
と、新聞から顔を離して窓を見る。
「今も外を飛んでいるかもしれないしね、
父は。」
「えっ...??」
この家の謎はまだまだ増えるばかり。