大広間はおなかがへる匂いがする。今日はホグズミードに行ける日。行ける日なのに、行ける日なのに! 「あれ、行かないのfirst name」 「う〜んわたしは良いかな」 なんでみんな恋人同士でいこうなんていうかな。まあいいか、休暇中にまた行けばいいし。はぁ、今日は一日中だれもいないなんて。 「ホグワーツ、一日貸し切り…?」 そんなつまんない話があるか!だれもいないってのに! 「どうした、絶望的な顔だぞfirst name」 あ、あ、あ、ジョージ・ウィーズリー!わたしの大好きな、ジョージ・ウィーズリー。かっこよくて、優しくて、おもしろくて。ホグズミードに行ったのかと思ってた…! 「え、な!」 「どうしてここにいるかって?」 だれもいない大広間。わたしたち二人きり。なんだ、このシチュエーション。緊張して反吐が出そう! 「相棒においてきぼりを食らっちまって。リーも最近彼女できたみたいだしな。アイツにだぜ?笑えるよなー。で、first nameは?行かないの?ホグズミード」 ジョージは優しく笑った。普段から話さないわけではない、ないけど、ふたりきりなんて。だけど、だけど本当にかっこいいなあ。かっこよくて、見とれちゃうよ。 「俺の顔になんかついてる?おーい」 「あ、え、えーと、みんな恋人と一緒に行っちゃって。わたしそういう人いないから、わたしもおいてきぼりなの」 「そっかー、一緒だね。置き去りにされたもん同士仲良くしようぜ」 あ、あー、仲良くなっちゃったよ。まさかだよ、まさか。なんかもうびっくりだよ。 「ジョージは今日、なにする予定だったの?」 「今日は…うーん、特になにも考えてなかったなー。いつもはフレッドが面白いこと考えるから」 「いつもイタズラ思いつくのってフレッドだったんだね」 「そうなんだ。俺もあいつみたいに、悪知恵が働けばいいんだけど。あ、そうだ」 来週提出のレポートとか、いろいろあるやつ やっちゃおうよ、そしたらふたりでなにかしよう!と、なんだか楽しそうなジョージ。かわいいな、こんなに近くで見たの初めてかも。 「ふふ、ジョージなんか楽しそう」 「ずっとふたりで話してみたかったんだ、first nameと」 「え?」 映画のワンシーンみたいな、なんか少女漫画っていうか、うーん。ドラマチックだけど日常的で。そんな話になるのかな。今、ジョージが言った言葉に、舞い上がってしまっている。わたし今、どんな顔しているんだろう。 「はは、顔真っ赤だ。早く終わらせて、そしたらなにをしようか?ふたりで考えよう!楽しい一日になりそうだ」 立ち上がって、楽しそうに歩くジョージの後を追いかける。ミスターロンリー、自惚れてもいい?なんだかしあわせの予感だよ。 Mr.Lonely! ( ミスターロンリーガール!きっとしあわせにするよ! ) |