愛しているから
□やってきたのは戦国時代!?
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目の前には、優しく微笑むかごめ。
それに、犬夜叉、弥勒、珊瑚に七宝も、「そうだ」と言うように頷いた。
「一緒に旅しよう!」
とかごめ。
「大変なこともあるけど、すごく楽しいよ」
「綺麗なおなごにも沢山会えますし!」
弥勒が言うと、珊瑚が睨みつける。
「そうだ。おめぇが井戸から戻れなかったのも、なんか理由があんだろ。一緒に旅してればそれがわかるかも知れねーぜ!」
犬夜叉もニカッと笑いながら言った。
「みなさん…」
足でまといになるかもしれない。そんな考えが一瞬よぎったが、せっかくの厚意を断るのも躊躇われた。
それに一人でいる不安に耐えられるわけが無い。
一緒に行こう。そう決心するのに時間はかからなかった。
「ありがとうございます!!」
美麗は満面の笑みで答えた。
「さて、一緒に旅することになりましたし…」
突然弥勒が美麗の手を握った。
「私の子供を産んで下され!!」
「へ?」
一瞬言葉の意味が理解出来ずに、素っ頓狂な声を出して固まる。
「ほ・う・し・さ・ま〜?」
突然聞こえてきた不気味な声。
背中がゾワゾワして振り向くと、その声の主が珊瑚だと分かった。
相当怒っているようで、どす黒いオーラを醸し出している。
「い、いやぁ、これは、冗だ…」
ベシッ!
大きな音がして、一瞬のうちに弥勒の頬にはもみじマークができる。
「美麗ちゃん大丈夫?」
「あ、えっと、大丈夫です……」
苦笑いする美麗の手をさする珊瑚。そのまま横目でキッと弥勒を睨みつけると、弥勒はビクリと肩を震わせた。
周りの反応を見るに、これは日常茶飯事なのだろう。
「く、暗くなってきちゃったからひとまず楓ばあちゃんの家に行かない?近くだし!」
「そうじゃな!おらお腹がすいたー!」
かごめと七宝が機転を利かせてその場は何とか収まった。
「楓…」
聞いたことがありそうな名前。
楓なんて名前は知り合いにはいないけど、なんとなく懐かしい感じがする。
ここへ来る前の夢で言われた事も気になるし、分からないことばかりだ。
そんな疑問を抱えながら美麗は村へと続く道を歩いていった。
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