IDOLiSH7
□君がいないと
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いつもの場所に、彼女はいた
いつものように、悲しげな顔をしていて
いつものように、消えてしまいそうな雰囲気を纏っていた
「廉、ここにいたの」
「千………、どうしても勝手に足が動いちゃって…
ここに来ればあの人がいるような気がしてさ…
おかしいよね、そんなわけないのにね…」
彼女はいつもふらりといなくなる
だけど彼女がどこに行くか見当はついてる、それでも俺は怖いんだ
彼みたいに、僕の前から大切な人が突然いなくなってしまうんじゃないかって
だから、いつもの場所にぽつりと立っている廉を見つけて心から安心する
僕は廉が好きだ…
でも、この気持ちは届かない
彼女は僕のことなんて見ていない
廉の目に映るのは いつも、バンだった
「千も、万に会いたいでしょ?
私は会いたいよ、すごく会いたい」
「僕も、会いたいと思ってる」
もちろんこの言葉は嘘じゃない
どうして僕の前から姿を消したのか
どうして連絡してくれないのか
どうして、どうしてって
バンに聞きたいことはたくさんあった
でも、1番伝えたいのは 今の僕はもうお前に頼ってばかりじゃないってこと
モモっていう新しい相棒を紹介したい
僕とバンで作ったRe:valeを壊したくないと言ってくれた相棒を
「万ともう一回Re:valeやりたい?」
「それは…、違う
Re:valeは僕とモモ 2人でRe:valeだ
それは今もこれからも変わらない、たとえもう一度バンに会えたとしても」
「そっか」
廉はどうしてバンに会いたいの?なんて、怖くて聞けない
彼女の口からバンへの気持ちを聞いてしまったらきっと立ち直れない
君はもしもう一度彼に会えたら彼に告白する?
きっと君に告白されたら彼は頷くよ
だってバンも廉のことが好きだったから
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