IDOLiSH7

□No.1
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雑誌をパラパラとめくる
何度も同じところを開いたから
そのページにだけくせがついて開きやすくなっている




『抱かれたい男No.1 八乙女楽』




「まーたそんなの見てんのか?」




ソファにだらしなく寝そべって雑誌を読んでいる私に声をかけるのは、まさにこの雑誌に大きく取り上げられている抱かれたい男No.1TRIGGERの八乙女楽




「これはこれは、抱かれたい男No.1の八乙女楽様ではありませんか
本日もお勤めご苦労様でございました」




皮肉とふざけと愛情たっぷりに言い起き上がって楽と視線を合わせる

いつも見てるのに、本当にかっこいい
何度見ても、いつ見ても、かっこよくて見惚れてしまう、きっとどんなに長くあなたと一緒に過ごしても見慣れることはないと思う




「るせぇよ」




ペチンッとでこぴんをくらう
これが地味に痛いので両手でおでこをおさえる


楽はどかりとソファに腰掛け
私を片手で引き寄せた




「こんなアンケートはどーでもいい
俺が抱きてぇのはお前だけだ、他のどの女に何と思われようと関係ねぇ
お前はどうなんだ?」




作り物かと思うくらい綺麗な顔が間近でそんなこと言うから
心臓が何個あっても足りない




「その質問はズルいよ…
そんなの…、決まってる…」




自分から楽の首に腕を回し
顔を近づけてキスをする
そう、答えなんて決まってる




「キスだけじゃわからねぇな
廉の言葉で聞きたい」




私の腕を掴み、妖艶な笑みを浮かべる楽の顔は反則だと思うの
それに言葉で?抱いてくださいと言えと?




「楽ってそーゆー趣味あったんだ」




女の子に恥ずかしいこと言わす趣味
楽は常に恥ずかしいセリフぽんぽん言えるだろうけどさ普通は言えないからね?!八乙女楽だから言えてるんだからね?!




「お前だからだよ
な、言ってみろよ 廉」

「………ぃて…」

「聞こえねぇな」

「っ…、私が抱かれたいって思うのは楽だけだからっ…、だから…抱いて…
私のことっ、楽でいっぱいにして…?」




なんかヤケになっちゃって
いっぱいセリフぶちこんでみたけど?!こんなマンガの女の子みたいなセリフ恥ずかしすぎ

恥ずかしくて顔を俯けていたが
楽がどんな顔してるのかチラリと見ると今まで見たことないくらいエロい顔してた




「可愛い」

「るさい」




ふいっとそっぽを向くと顎をつかまれ強制的に視線がぶつかる
意味わからないくらい心臓が鳴ってる


楽の瞳に吸い込まれるように
自然と距離が縮まりキスをする
深く絡みあうようなキス


激しくて、でも、優しくて
頭がぼんやりするくらい楽に溺れる




「んっ…ぁ」

「廉、すげぇエロい顔してる」

「楽はいつもエロい顔してるけどね」

「まだ口答えする余裕あるみたいだな」




楽しそうに口角を釣り上げる楽
余裕?そんなのあるわけない
こんな減らず口でも叩いてないと
自分が自分じゃなくなっちゃいそう


身も心も楽に溺れて
トロトロになっちゃいそうで怖い
我を忘れて乱れてしまう自分が怖い




「…バカ」

「なんとでも言えよ」




悔しいくらい余裕たっぷりの楽とは対照的に私はどんどん自分を抑えきれなくなってただただ楽を求めた

もっと深く、熱く、激しく、強く
私をあなたでいっぱいにして
楽にだったら壊されてもいい

乱れて、感じて、求めて
私と楽の汗が混じって1つになって、卑猥な水音をたてながら愛液を絡める

熱のある視線と視線がぶつかるたびどうしようもない熱情と快感が私を襲い、止まらなくなる

いっそこのまま溶け合って1つになれたらいいのに…なんて夢みたいなことを思いながら




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