安土城

□スキ
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整った寝顔をうかがう


「まつ毛長いなぁ…」

「肌めちゃくちゃキレイ…」

「鼻筋も通ってるし…」


キレイな顔してるのは
最初から思ってたけど
寝顔にも隙がないって
この人はいつ、油断してるんだろう




隣で眠る光秀さんをまじまじと
見つめながらそんなことを考える
寝てる時でもないとこんな風に
この人を観察することなんて
できないから

いつも飄々としていて
掴みどろがなくて
何考えてるのか見せないくせに
人の考えてることはすんなり言い当てて

光秀さんに勝とうなんて思わないけど
なんていうか、もっと、こう
私の前では隙を見せてくれてもいいのに
っていつも思う



初めて会った時から
こうして褥を一緒にする仲になった今も
光秀さんの隙を見たことがない

そもそも、この人が本当に私のことを
好きでいてくれてるかも自信がない





「はぁ…」

「人の顔を見てため息とはな」

「光秀さん?!
起きてたんですか?!」

「まぁな」

「いつから?」

「はじめからだが?
心の声が全て漏れていたぞ紅」






この顔…、全てを見透かしたような
この笑みを見返してやりたい







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