安土城
□2度目の命
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漆黒の闇の中に呆然と立ち尽くす
右も左も上も下も、目を開けてるのか閉じているのかもわからない空間に佇む私
ここはどこ、私は何、どうしてここにいる、何をしてる
生きてる?死んでる?何もわからない
光なんてどこにもない
あてなんてない
未来も希望もなにもない私
私はいったい何??
「紅」
誰かの声がする
低くて、深くて、鋭くて、優しくて、あたたかくて、冷たくて、知ってるようで、知らないようで
いったい誰?
「紅」
私の、名前?
呼んでるの?私のことを?
貴方はいったい誰?
どうして私を呼ぶの?どこにいるの?
声を頼りに闇の中を走る
どこまでいっても闇に切れ間はない
走っているつもりだけど進んでいるのかわからない
それでもひたすらに足を止めずに声のする方を目指す
そうしなければいけない気がしたから…
あの声の方に、私の求めるものがある気がしたから
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