安土城
□お子様は寝る時間
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光秀が後にした広間には、未だ困惑が広がっていた
「さて、貴様らを集めたのはこの紅の面倒を誰が見るかという議題のためだ」
「光秀は戦線離脱か、まぁ最も あいつがガキの子守なんて柄じゃねぇしな」
「それなら私が務めさせていただいてもよろしいでしょうか?丁度、仕事もひと段落ついていますので」
「他人に面倒かけてる本人が何言ってんだか…、俺がやりますよ」
「家康、お前がか?子どもは苦手だったんじゃないのか?」
「別に得意ではないですけど、三成と一緒に面倒ごと起こされるよりはマシですから」
「それなら俺の方がお前より紅のこと上手く可愛がってやる自信はあるぜ?」
「政宗が言うと何だかこの小さい紅の貞操が危うい気がするんだが…御館様、ここは俺が 」
武将たちは進んで紅の子守を名乗り出た
「全員譲る気は無いようだな…
仕方がない、各人持ち回りでこやつの面倒を見ろ
言っておくが、いつもの紅と同じだと思うなよ?見ての通り、じゃじゃ馬だ」
声はしっかりしているが、そう言う信長は紅が自分の弱点であるくすぐりをしてくるのを必死で拒んでいた
「「はっ」」
広間に武将たちの引き締まった声が響いた
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