short dream bio

□All I want is
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昨夜遅く任務から戻ったレオン。

私たちはベッドの上で忙しなく愛し合って、彼は眠りに落ちた。

もう少し話とかしたかったな…。

男の人は基本的にピロトークとか好きじゃないと聞くけれど、レオンもそのタイプだろう。



朝はレオンはまだ深い眠りの中のようだ。

固く目を閉じた顔は彫り深く、起きている時と変わらない美形ぶり。
今朝はまだ剃られていない無精髭が少し。それも男らしくて好きだ。
筋肉のついた引き締まった肩も。
レオンの全てが私に取っては愛しいと感じる。

レオンに顔をよせ彼の高い鼻に口づけをする。
それから唇にそっと触れるようにキスをする。
すると、下唇を軽く甘噛みされた。

「…ん…っ…」

背中に回った手が、私の背を抱きしめて、そのままベッドに押し付けられる。

青い瞳が私を見下ろしている。

昨夜は、深い海で。
今朝は、澄んだ空の色。

レオンの青い瞳は、光によって色が変わる。
すごく綺麗だ。

「起きてたの…?レオン」
「起きるだろ?キスされたら」
「うん…」
「昨晩はあまり話も出来なくて悪かったな、エレナ」
「ううん…大丈夫。レオン疲れてたみたいだし」
「エレナにサービス、もっとするんだったな」
「やだ…」
思わず頬が熱くなる。
「そんな事…じゅうぶんだから」

本当は任務が終了して此処に戻るのは早朝のはずだったのに。
私が早く会いたいと我儘を言ったら、彼はジェットで日付が変わる直前に戻って来てくれた。

「明後日にはまた任務でしょ?」
「ああ」
「大統領のお付きもたいへんね」
「もう慣れたよ」

私は、いつまでたっても慣れる事はない。
レオンが居ない事に。
それでも。

「ね、レオン…」
少し甘い声で媚びてみる。
それを悟ってか、レオンが私の唇に触れる位に彼の唇を寄せる。
「どうした?エレナ、おねだりなら大歓迎だぜ?」
それから私の耳朶を甘噛みしながら
「昨晩の続きがしたいんだろ?」
と囁いた。
「うん…」
それもいいけれど。
「レオン、手、握って…」
「手?」
差し出した私の手にレオンが彼の指を絡めてクロスするように握る。
「あのね、レオンにこうしてもらうだけですごく安心出来るの。触れてるだけで幸せ…」
「まったく、エレナは可愛い事を言ってくれるな」
「ね…こっちも」
そしてもう片方の手も同じようにレオンに握ってもらう。
「エレナ、これだと俺は何も出来ないんだが…?」
「いいの。もう少し眠るから…」
「そうなのか…?俺はすっかり目が覚めたってのにな…。泣けるぜ」
残念そうに愚痴るレオンに、笑いを堪えて私は目を閉じる。
するとレオンが私の瞼の上にちゅっと音を立てキスを落とした。

「起きたら覚悟しておけよ。My Sweetheart」



離れていても不安にならないのは。

きっと、この温もりがあるから。

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