小説

□あの子を愛する為だけに2
1ページ/2ページ

ただ唇同士が触れるキスでは物足りなくて、どちらからともなく舌を絡めた。
呼吸をすることすら忘れそうになる。
「…ん、ぅ…」
漏れる吐息も何もかもに興奮した。
唇を離すと「…長いっつの」と文句を言われた。
「すまない。嫌だったら言ってくれ」
「嫌じゃねえよ。てか初めてがコスプレセックスって、カラちゅんてば変態」
「女装しておっさんに股開いてたお前はもっと変態」
「お互い変態なら問題ないか〜」
「フッ、ノープロブレムだな。脱がせてもいいか?」
「いーよ」
セーラー服のリボンをほどいて、真ん中のファスナーを下ろす。
見慣れたはずの体なのに、白い肌に益々欲情した。
胸の突起を舐めたり吸ったりしながら、もう片方は指でつねる。
「あ…っ、ん…」
甘い声で喘いでいるおそ松を見ていると、それだけで射精しそうになる。
「…俺さ、本当は処女なんだよね」
唐突にとんでもないことを告げられて、思考が停止した。
「は?」
「ヤりまくってるみたいなこと言ったけど、あの時お前に見付かったおっさんが最初で最後だし。ヤられそうになったら逃げるつもりだった」
「…じゃあ、じゃあ俺の葛藤は何だったんだ?お前を20万で買うなんて…」
深いため息が漏れる。
このクソ長男ときたら今までの俺の苦労は何だったんだ。
「お前にかまって欲しかったんだよね〜〜めんごめんご」
「めんごで済むか!」
衝動に任せて下着を脱がす。
「だったらお前の処女を俺によこせ」
「カラ松にやるよ。だから優しくしてね」
にやけ顔で余裕ぶった態度に腹が立つ。
今に見てろ。
「俺のちんこ無しでは生きていけない体にしてやる」
「お前のちんこが無くても食うもんがあれば生きてけるけど」
「そういう意味じゃない!この前のお返しだ」
銭湯でいつも見ている兄弟の裸なのに性器すら愛らしく見える。
脚を開かせてその控えめな性器をしごく。
「お前に触られると…なんかやばい…っ…すごい気持ちいい」
先走りを絡めて上下に強く擦ればおそ松の息がどんどん荒くなった。
もう片方の手で乳首を弄ればびくりと体が震えた。
「あ…っ、もうだめ…イッちゃ、う…っ」
性器から精液が吐き出されて、スカートを汚す。
「兄貴、弟にシコられて気持ち良かったか?」
わざとらしく耳元で囁けば「腹立つ…けど、気持ち良かった」と笑みを浮かべた。
「…なあ、挿れていいか?好きなんだ、おそ松」
「今更聞くなって。好きにしろよ。ほら、触って?」
おそ松が自ら脚を広げる。
「俺もカラ松が好き。だから早くひとつになろ?」
ポーズは大胆なのに表情は切なげで、早く犯してしまいたい衝動に駆られる。
ローションを孔に塗りたくって恐る恐る指を挿れる。
最初は異物感があるらしく、おそ松は苦しそうに呻いていた。
時間を掛けて抽挿を繰り返し、指を二本に増やして奥を突いた。
「ひゃうっ!」
甲高い喘ぎと共におそ松の体がびくりと震える。
「なんか、変っ、そこ」
「ここがいいのか?」
同じポイントを擦ると、喘ぎと共に体を震わす。
どうやらここが前立腺らしい。
愛撫を繰り返していると、トロトロと愛液が溢れてきた。
「あああ、んっ…きもちい……やだぁ、っ、」
おそ松の性器はまたゆるゆると勃ちあがっていた。
童貞なものだから当然セックスは初めてで、AVの内容を見よう見まねでしている訳だけれど、こうしておそ松に快感を与えられて内心ほっとする。
「なあ、おそ松…そろそろいいか?」
「ん…、いいよ」
興奮でズボンの中のぺニスが苦しかった。
ズボンごと下着を脱ぐ。
「うわ…ガチガチじゃん。一回出しとく?」
「いい…早く挿れたい」
もう余裕がなかった。
「いいよお、おいで」
おそ松はいつも余裕ぶった態度を取っているけれど、実際余裕がある訳ではない。
弟だから分かる。
そんな余裕なんて剥ぎ取ってやる。
ゆっくりとおそ松の中にぺニスを埋めていく。
時間を掛けて全て挿れた瞬間、得も言われぬ多幸感に包まれる。
愛する人とようやくひとつになれた。
「…は、全部入っちゃったねえ、カラ松」
「苦しくないか?動いても大丈夫か」
「少し…。けど、大丈夫だから」
腰を動かすと、肉壁に締め付けられて恐ろしく気持ちが良かった。
緊張からなのか、密着しているからなのか、汗が滲んでくる。
体が熱い。
「ああ、ぅ、っ…からまつ…」
「おそ松…、お前の中、めちゃくちゃ気持ちいいぞ…」
今すぐにでも射精してしまいそうだったが、もう少しおそ松の中に居たかった。
もっと奥へとひたすら腰を打ち付けた。
「からまつ…俺も…っ、気持ちい」
荒い息遣いと紅潮した顔がたまらなくエロかった。
俺の兄貴ってこんなに可愛いかったっけ。
「好きだ…おそ松」
夢中で唇を貪るかのように重ねると、このまま死んでもいいと思える程に幸せだった。
「あっ、からま、つ…っ、俺も好き…」
涙声で言われて心臓が思いきり握り締められたみたいに締め付けられた。
可愛すぎる。
「…そろそろ、出そうだ」
「いいよ、出して…」
欲望のままに、俺はおそ松の中に精子を吐き出した。
その時何かが、ようやく満たされたような気がした。
ぺニスを引き抜くいて、二人でしばらく息を整えた。
ああ、素晴らしい、セックスがこんなにも気持ちの良いものだなんて。
けれど相手は実の兄、俺は禁断の扉を開いてしまったギルトガイ…。
現実的な事を考えていると「カラ松」と、俺の下でおそ松に呼ばれる。
「これで本当に後戻りできないよ。お兄ちゃんの処女奪った覚悟はあるんだろうな?」
汗なんだか精液なんだかで汚れたセーラー服をはだけさせて、心底楽しそうにおそ松は笑っていた。
「俺がお前を好きで、お前が俺を好きなら、それでいいだろ。処女をもらった責任は取ろう。恋人として、な」
「そうこなくっちゃ〜ダーリン」
「ただし20万はやらん。騙した罰だ」
「ええ〜〜、ケチ」
「そもそもお前が手の込んだ嘘をつくのが悪い。だからお返しに20万円分セックスさせろ」
「嘘ついたのは悪かったけど…意味分かんないし…なんでまたちんこ勃ってんの」
後退りするおそ松の手首をがっちりと掴む。
「第二ラウンドだ、ハニー」
にやりと笑って見せるとおそ松の顔がひきつった。
「えっ、無理無理疲れた!あっ、むりっ、無理だってばああああああ」

おそ松の悲鳴を無視して再び体を重ねる。
難しいことは考えたくなかった。
ただ愛する人に好きだと言われてセックスができればそれでいい。
今はそれだけでいい。



続きます
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ