小説
□そんな感じ
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※交際中の一おそです
「おそ松兄さんは俺のこと本当に好き?」
「うん。好きだよ〜」
漫画を読みながらどうでも良さそうに答えられても不安しかない。
只でさえこの人はテンションだけのガサツ人間だ。
今恋人同士なのもその場のノリとテンションだったのかも知れない。
「…なに?どうかしたの一松?」
「…何でもない」
そんなこと話してもきっとめんどくさがられるだけだ。
「あの人俺のこと本当に好きかな…」
「あの人?おそ松兄さんのこと?」
十四松に話して俺はどうしたいのだろう。
頷いてから後悔する。
「僕おそ松兄さんじゃないから分かんないよ。あ、そういえばこの前、おそ松兄さんが一松兄さんに何かあったのか、って聞いてきたよ」
俺の様子に勘づいてはいるらしい。
けど直接は聞いてこない。
「一松兄さん、話さなくても分かることってあると思う。だけど話さなきゃ分からないこともあると思うよ」
十四松からそんな言葉が出てくるなんて思いもしなかった。
いつもならつっこむ場面だけれどそんな余裕はない。
「…ありがとう十四松。おそ松兄さんに話してみる」
「頑張ってね!後で野球しよ!」
「は〜〜〜負けた〜。最近勝てないんだよねえ」
「日頃の行い悪いんじゃない」
「ニートだからかな〜?やだ絶対働きたくない〜。一生ニートでいたいよ一松〜」
おそ松兄さんが肩に腕を回してくる。
「一生ニートで、一生家にいたら、おそ松兄さんとずっと一緒にいられるかな」
「そうだな〜。それも悪くないな」
「俺さ、ゴミだからおそ松兄さんに好きって言ってもらえる価値なんてあるのかな」
「そんなこと悩んでたの?お前はゴミじゃないよ。俺の大事な恋人だよ」
優しく微笑むおそ松兄さんを見て泣きそうになる。
「他の奴らに告られても付き合ってた?」
「ないでしょ。俺は寧ろ一松は十四松かカラ松を好きだと思ってたけどね」
「ヤりたいのはおそ松兄さんだけだよ」
「そうそう!俺も同じ!そんな感じでいいんじゃない?」
軽快に笑うおそ松兄さんを見ているとそんな感じでいいような気がしてきた。
「…うん」
今こうして隣におそ松兄さんがいることが幸せだから、これでいいんだ。
-end-
例えリア充になっても心の底から笑えないような四男が好きです。
そんな四男の不安を笑って吹き飛ばす長男も好きです。
ありがとうございました!
2016619