幾つもの音に包まれて

□始まり
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ある晴れた日のこと。海沿いの小洒落た建物、プチホテルパールピアリではるちあ、波音、リナ、そして星羅の四人は庭で優雅にティータイムを楽しんでいた。

「星羅、あんたまたトロピカルフルーツサンデーなの?たまには違うものも食べたら?」
「いいの!これで。……あ、るちあ、リナ!」
「お待たせ、星羅、波音!お茶とジュース持ってきたよーっ」
「砂糖はここに置いておくな」

よくある、当たり前の日常。ガクトとの戦い、ミケルとの争いを乗り越えてようやく戻ってきた日常だ。

「平和だな…」

紅茶を飲みながら、リナが呟く。ここのところは海も穏やかで、各々の恋仲との関係も良好。まったくもって、平和だった。

「でも、ちょっと退屈な気もするわね。もっとこう、刺激はないのかしら」

ふあぁ、と呑気に欠伸をした波音を見て、リナはやれやれと肩をすくめた。同時にるちあが反応する。ガタッと椅子から立ち上がった。

「だったら、山のお城に行こうよ!あそこ、海斗達に聞いても誰も知らないみたいだし、前から行ってみたいと思ってたんだ」
「山のお城…?」

聞きなれない言葉を星羅が返す。生まれて、そして陸での生活もまだ短い彼女には、すべてが好奇心の対象だ。

「そう、山の上にあるから。小さくだけど海からも見えるでしょ?……いつできたのか、誰が建てたのか、この地元にずっと住んでる人でも分からないみたいなんだって。おまけにあの辺にいった人がことごとく行方不明になってるって噂も…これはもう、行ってみるしかないでしょ!」

目を輝かせながら説明して、最後にはウィンク。……るちあ、幽霊の類は苦手のはずじゃ…?三人の頭に疑問符が浮かんだ。

「もっちろん海斗も誘うからね!ヒッポも行く?」

近くで花の水やりをしていたヒポカンポス――今はペンギンのヒッポだが――にるちあは顔を向けた。

「いえ、そういうのは祖父の遺言でちょっと…」
「もーっ、相変わらず怖がりなんだから!」


なんだかんだで、彼女らの今後の予定は決まった。
 

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