恋乱倉庫
□ある日の朝【才蔵】
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2匹の猫に餌を上げて居ると、急に肩に重さを感じた。
「!?」
首筋に当たる吐息と優しい匂い。
音も無く肩に乗ったその温もりは、ここにいる猫達では無く、猫のような私の想い人だと言う事が直ぐに分かった。
「ねえ、俺にも朝餉作ってよ」
首筋に頬を寄せて、甘えたような擦れた声でそう言われ、思わず耳まで熱くなった。
「…こ、こっちが先ですよ」
「そ。じゃあ待ってる」
そう言って才蔵さんは私の腰を抱いたまま肩に顎を置いて餌を食べる猫達を見つめるのだった。
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