恋乱倉庫
□天然なカノジョ【小十郎】
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俺の小性であり、恋人は時折俺の想像のつかない事をする事がある。
言うなれば、天然という種類に属するのだろうが、普段しっかりしているだけに時折見せる行動に目を見張る事が多々あった。
勿論それすら可愛いので文句は無いのだが、1番厄介なのは可愛い事を本当に天然でやってのける事だった。
「小十郎様、お茶が入りましたよ」
自室で仕事をしている俺に、淹れたてのお茶を持ってきてくれた時の事。
「ああ、ありがとう……ぁつっ…!」
それを、何も考えずに口に含むと想像以上に熱く思わずパッと口を離した。
「わっ…!も、申し訳ありませんっ…熱かったですか?」
「っ…舌を火傷したようだ…」
火傷したようで、ヒリヒリと舌先が痛んだ。
思わず顔をしかめる俺を見て、オロオロとしながら傍にやってくると眉尻を下げながらこちらの顔を覗き込んできた。
その様子がやけに可愛く思えて、思わずイタズラ心が芽生えてしまい、大袈裟に口を抑えて眉根を寄せて見せた。
「どうしましょうっ…痛みますか?!すぐにお水をっ…」
そう言って立ち上がろうとする手を捕まえて、辛そうに眉根を寄せながら言う。
「知らないのか?火傷した部分はすぐ舐めて応急処置をしないと悪化するんだ」
「!」
ハッとしたように俺を見て、みるみるうちに顔を真っ赤に染める。
流石にそんな嘘が通用する歳でも無いかと、内心苦笑しながら居ると、突然意を決したように俺の襟元をきゅっ…と握り顔を寄せ、薄く開いた唇から舌を差し入れチロチロと俺の舌先を舐め上げたのだ。
「っ…!」
余りにも可愛いその行動に予期せず俺の理性が限界値を振り切ったのが分かった。
勿論その後、無茶苦茶に抱いたのは言うまでもない。
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