笑わない兎を笑わせましょう。【HQ】

□また今日も。
1ページ/2ページ

結局家まで送られてしまった。家バレしたな、なんて思いつつもぺこりと頭を下げる。家の電気はついてない。母親は今家にいないのだろう。

カチャリと玄関の扉を開くと静かな空間がただただ広がってるだけ 。


荷物を置くためリビングの電気をつけると、机の下には

〖今日から二ヶ月間海外赴任します。高校生なんだから身の回りの事くらい自分で出来るようにしなさい。〗
という置き書きと封筒が乗っていた。

封筒の中には二万円。どうやらこれで過ごせと言うことらしい。

『……まぁいいや。』

なんて小さく呟き自分の部屋へ移動する。
制服にシワがつくなんてお構い無しにベッドにダイブする。ふかふかのベッドは抵抗せずに包み込んでくれて、悩みも全て放り出せるようだ。



『…………はぁ、マネージャー……どうしよ。』

夜久さん達の頼みだし、断ったら教室で気まずくなるのは一目瞭然。

(……もしかしてそこまで考えた上で……?)

いやいやいや、そんな事は無いだろう。そう頭を振ってベッドから降りる。制服をぱさりと脱ぎ、ルームウェアを着る。楽だ。

簡単な料理を作り、胃に押し込む。ごちそうさまと手を合わせ、片付ける。

全て終えるとやることが無くなった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ