錆びたナイフで世界を救おう。【暗殺教室】

□溜息にテストに編入
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『 …………っはぁぁぁあああ』
思わず大きな溜息が口から漏れでる。まぁ、A組よりは楽しめるかな……なんて淡い期待もあるけれど。



教室に戻り、鞄を持つと視界に男子の制服が入り込んだ。つぅ、と視線を上げると、鮮やかなオレンジ気味の茶髪が特徴的な生徒会長、浅野学秀が視界に飛び込んだ。

『……?』
「……」

謎の沈黙が降りかかリ、お互い何も言わないまま数分が過ぎた。そろそろ帰って宿題をやりたいので何も言わない浅野の横を通り過ぎていく……ハズだった。

「君は……君は……それでいいのか……?」

耳を済まさなければ聞こえないほど小さな囁くような声。その声はこちらを心配する様子が伺える。

『 ……うん。心配ありがと。』

目を合わせること無く前をまっすぐ見たままそう呟くと浅野が息を呑むのが分かった。
そのまま教室のドアを開くと部活へ挨拶に行った。今までありがとうございます。なんて簡単に済ませると家へ帰る。

テストの勉強……宿題……どんな順番で終わらせるか考え、玄関の鍵を開け…………ない。捻ってもくるくると空回りする。つまり……

『 ……開いてる、だと…………?』

ドアを押し中に入る、と
「おっかえりー☆」
馬鹿みたいに能天気な声がかかる。私の知り合いでこんなに腹立つ奴は1人しかいない……

『なんで兄ぃ(にぃ)がここにいる。』
仕事はどうした。そんな言葉を呑み込み、部屋へ行く。当然の様についてくる兄ぃを睨みつけ、部屋に入り鍵をかける。
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