錆びたナイフで世界を救おう。【暗殺教室】

□溜息にテストに編入
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嗚呼楽しみになってきた。食事を終え、風呂も上がり、火照った身体をベッドに投げ出す。ゴロンゴロンと寝返りを打つと視界に長く緩く編んだ髪が飛び込む。
紛れもない自分の黒黒とした髪を意味もなく撫ぜる。何の為に伸ばしたかなんて聞かれても答えることは出来ない。答えたくない。

『 ……あぁ、しらけたな。“次も”隠し通さなきゃな……』

自分でもどうかと思うほど大きなため息を吐いてまぶたを閉じる。明日のテスト頑張るために……。

不思議な素敵な夢を見た。鳴り響くサイレンにかぶさる小さな足音。男の子と女の子が無機質なコンクリートの廊下を走り抜ける。走る度に女の子の首に嵌められた鈴がチリチリ鳴って2人の居場所を知らせる。
「逃げろ!!!____!!!」




『 ……!!!ッハァ、ハァ。』
布団を剥ぎ取り寝汗をぬぐい去る。窓の外を見るとほのかに明るくなってきた。二度寝するには微妙かな。

一階に降りてテスト勉強をする。もう数時間したらテスト。頑張ろう。防衛省の人がテスト終わったら来るんだっけ。何か茶菓子用意した方がいいかな。ぼんやり考えているといつの間にか時刻は過ぎて。

簡単な2人分の朝食を作り、身支度を済ませると丁度いい時間。さぁ出よう。本校舎最後の授業。



テストは思ったよりも簡単で拍子抜けした。帰ってきて、着替えずに防衛省の人を待つ。やってきた2人の防衛省の人は簡潔に話を済ませ、“対殺せんせー用ナイフ”などを置いて帰った。

(明日からかー)

ぼっすんとソファーにDIVE☆
うん。やめよ。
ふと天井に何かメモが貼ってあるのに気づいた。兄ぃだろうが、何故天井……
べりりと剥がしとり文字を見る。兄ぃは仕事で暫く留守にするという内容だった。

『 …………がーんばーるぞー。』
緩く握った拳を上に突き上げ、そのまま瞼を閉じる。
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