錆びたナイフで世界を救おう。【暗殺教室】

□溜息にテストに編入
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ぼすっと鞄と共にベッドに腰掛け、頭を抱える。何度目かの溜息が漏れでる。

『…………制服、脱がなきゃ……はぁぁ。』

のそのそと男子の制服を脱ぐ。女子なのになんで、何て何度も何度も聞かれた。理由なんて言ったところで誰が信じてくれるだろうか……いや、この事は忘れよう。

ぶんぶんと頭を左右に振り、部屋着に腕を通す。先程放り投げた鞄から筆箱とテキストを取り出し、周りの音を弾くようにヘッドホンをつける。
音楽が流れ出しテキストは自分の文字で黒く染まる。勉強している間は嫌な事を忘れられる。



どれくらい勉強しただろう。空腹感を感じリビングへ行くと兄ぃがキッチンに立って料理をしていた。
『……そういや兄ぃ帰ってたんだった。』
「ひどwwwwww」

ケラケラ笑いながらも手を止めずさっさかさっさかと料理を作る姿はいつ見ても綺麗だ。
『消しゴム買ってくる。』
「気をつけてな〜」

軽く着替えて玄関を出る。近くのコンビニまで少し歩く。


数分後、コンビニに着いた。ぴろーんと間の抜けた音楽と共にドアが開く。文具コーナーで消しゴムを選んでいると、視界の端に見たことのある顔が居た気がして顔を上げる。

『 あ……。神崎ちゃん』
「あ……睦月ちゃん」

やっほいと手を上げると神崎ちゃんも返してくれる。
同じゲームで知り合って同じ学校だと気づいた時は柄にもなく叫んだな……

『 あー、そうだ、会ったついでに報告ー。E組行くことになった。よろしくー。』
「!?!そうなの?やった。よろしくね!!」

嬉しそうに頬を緩ませてぴょんぴょん跳ねる神崎ちゃん。

またね。と手を揺らし消しゴムを買って帰る。家に戻ると美味しそうな香りが鼻腔をくすぐった。
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