『孤立無縁のデリーター』
□st1.デリーター
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異能。
それは限りない一人握りのものがもつ、人よりすぐれた才能や、一風変わった独特な能力の事を指す言葉である。
今より50年ほど前。
その 異能 をもつ人間が突如日本に現れ、日本国内は騒然とした。
その異能を持つ女性は手から炎や氷を出し、首都をいきなり攻撃し始めた。
多くの人が倒れ、物が壊れ、犠牲を払いながらもその彼女を追い詰め、殺す直前までいった時、彼女はこう叫んだ。
「今日これから、この国には多くの異能者が生まれ、そして国を消滅するでしょう。 そう、彼の手によって・・・・。」
そう言い残し、撃たれ彼女は死んだ。
それからというものの、彼女の言葉通り異能者が1000人に1人の確率で現れるようになった。
しかし日本はこれを鎮圧すべく、その異能者に対して特別な学校、特別な職業、特別な装置を与え日本から約100km以上も離れた人工島に異能者達を隔離り、管理するようになった。
異能を持たない人々は恐れをなして、異能をもつ人々をこう呼ぶようになった。
生まれながらに異能を持つ罪人
デリットアビリター (Delitto Abiliter)
通称 デリーター
と。
そして今 2016年4月1日。
今ここデリーターと呼ばれる一人の少年が今この人工島に降りようとしていた。