貴方と巡り逢う為に
□すぐ近くの温もり
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「…何処行った?朔羅。」
店を出て中たりを見回すが朔羅の姿が無い。
そう遠くには行ってない筈。見回しながら進むと建物と建物の間から細い紫煙がユラユラと通りに流れていた。
何気無く歩み寄ると探し人が建物の壁に寄り掛かりながら煙草の煙を吐き出していた。
クス。と笑みを零し静かに近付いた。
(はぁ〜。目の前で三蔵と悟浄が煙草を吸って八戒が笑い掛けてくれて…悟空が…………興奮し過ぎて発狂しそう!!)
朔羅は一人興奮を抑えていたのだ。
「そこのお嬢さん♪火、貸してくれない?」
朔羅が煙草を吸い込んだ時に聞こえた声に朔羅は、紫煙を吐き出しながら顔を向けた。
『あっ!どうぞ…!?ごじょゴホっ!!』
現れた人物に驚いて咽てしまった朔羅に悟浄は慌てて側に寄り朔羅の背中を擦った。
「悪りぃ。大丈夫か??」
心配そうに覗き込む悟浄に朔羅は大丈夫。と目に涙を溜めて伝えた。
それを聞いて悟浄も苦笑いを浮かべて煙草を取り出すと自身のライターで火を点けた。
『…持ってるじゃん?』
朔羅も苦笑いで返すと悟浄は悪びれた様子も無くあったみたい。と朔羅の隣に寄り掛かった。
「こんな所で吸わなくても中で吸えば良いじゃん?」
悟浄は空に向かって紫煙を吐きながら朔羅に話しかけた。
貴方達に興奮して…とは言えない朔羅は困った様な顔で悟浄と同じ様に空に向かって紫煙を吐き出した。
『女が吸うの良く思わない人…たまにいるでしょ?』
朔羅の言葉に悟浄は声を出して笑った。
「あはは。アイツ等そんなの気にしねぇよ!…そんな事よりも可愛いお嬢さんが一人でこんな所にいる方が問題だ。」
普段より色気を含んだ声と顔で朔羅の方を向きながら言った。
(…///出た。女ったらし悟浄。)
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