貴方と巡り逢う為に
□序章
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月の灯りが石を照らし、眩しいくらいに輝き出す。
それに私は指を絡めて目を合わすと心の中で願うの。
(…あの人達に逢わせて。…共に生きたい。)
『…ってこんな事でトリップ出来たら苦労しないか(笑)』
苦笑いを浮かべながら呟き立ち上がる。
その瞬間…。
《…め…様…。…姫様。…我等と共にあの方達の元に…》
直接頭の中に聞こえて来た声に、頭を押さえた。
『え?…今の…何…?』
視界の隅に見えた。
光り輝くブレスレット。
だが、明らかに月の光を反射しての輝きじゃない。
ブレスレット自体が光を放っている。
惹かれる様に購入し、自作した四神が刻まれている一番のお気に入りが。
その光は段々と大きくなり、朔羅を包み込む様に纏うと、朔羅は其処で意識を手放した。
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