外伝

□俺の…
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敖潤に引き寄せられるまま顔を近付け重なるお互いの唇。

何度も角度を変え朔羅の口内で絡み合う二人の舌。
息をする暇が無く酸欠になり掛けた時、ゆっくりと離れていく唇。






「…これでいいか?用が済んだなら大人しく部屋へ帰れ。」
敖潤は何事も無かった様に書類に向かう。





『…ヤキモチですか…?兄様♪』
満足気に言う朔羅に敖潤はギロリ。と無言で睨む。


『…は・は〜い。…部屋戻ります。』流石に恐怖を覚えた朔羅はソロソロと敖潤の背中から離れた。

静かに部屋の入り口に向かうと扉に手を掛けた。








「おい、朔羅。」
部屋を出ようとした朔羅をは呼び止めた。
突然呼び止められた朔羅は振り返り敖潤の方を向いた。






「大人しく部屋にいろよ。…手が空いたら様子を見に行くからな。」
書類に目を向けたまま言う敖潤だったが朔羅はその行動に何だか嬉しかった。



うん!と笑顔で返事を返して部屋を出て行った朔羅に敖潤は頬が少し緩むのが解った。








最初は面倒臭くて邪魔なだけだった。
用も無いのに俺の部屋に来てはじゃれついて行く。



無理矢理追い出すと捲簾大将の所へ行き泣き付く。
そして、俺では無く捲簾大将から気を補給する。
…俺とは違ったやり方で。







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