外伝
□俺の…
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「…まだ力は残っているだろ?…其れに名を呼ぶな。」
後ろを見る事無く背中に未だ張り付いている朔羅に冷たく言い放った。
観世音菩薩が朔羅に与えた力を保つ為にしなくてはいけない事。
其れは天界人から気を分け与えて貰わなくては朔羅は天界人として気を保てない。
其れとイザコザに巻き込まれない為に観世音菩薩が他の天界人に伝えた事。
朔羅は西海竜王敖潤の【妹】だと。
『う〜ん。まだ残ってはいるけど…そろそろかな?って!』
冷たく言われても気にも止めていない朔羅は敖潤の背中から笑顔で覗き込んだ。
「…切れそうになったら来い。」
覗き込んで来た朔羅に目だけを向けると直ぐにまた書類に目を戻した。
『意地悪〜!いいもん!!大将様にお願いするから!』
頬を膨らませて拗ね顔をして離れようとした朔羅に敖潤は溜息を着くと片手を後ろに回し朔羅の後頭部に添えると前に引き寄せた。
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