幻想魔伝

□闇に堕ちよう
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『烏哭さん?出来ましたよ!』
「ん。」

此処は吠登城の烏哭事你健一の自室。
その自室にあるソファーに腰を沈めている烏哭。

目には包帯が巻かれている。
二週間前に、玄奘三蔵に撃たれ光を失った。





三蔵一行と行動を共にしていた朔羅だったが、烏哭を放って置けず烏哭に着いて吠登城にやって来た。

烏哭の傷の手当に力を使い果たした朔羅は四神の力を使い過ぎ、制御装置の役割をしていたブレスレットは壊れ、姿は妖怪になっていた。



朔羅は光を失った烏哭の身の回りの世話を早く慣れる様にと健気に尽くした。


そんな朔羅に烏哭は最初は邪魔者扱いしていたが、最近はだいぶ柔らかくなっていた。






朔羅は出来上がった昼ご飯を持って来ると烏哭の待つソファーに近付く。
美味しそうな匂いに朔羅が側に来たと判ると口端を上げ、特有の嫌らしい笑みを浮かべると、自分の右足をポンポン叩くと朔羅に座る様に促した。







『……またですか?』
「…文句あるの?」
淡々と話す烏哭に朔羅は溜息を着くと烏哭が叩いていた右足に大人しく座った。

自分の足に朔羅の重さが掛かると烏哭は満足そうに朔羅の腰に両手を回し、朔羅の後ろで手を絡め自分の方に引き寄せた。







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