幻想魔伝

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朔羅が注いだお酒を三蔵は静かに飲み出した。
それを朔羅は静かに眺めているだけだった。



ただ見られているのが居心地の悪い三蔵は朔羅をギロ。と睨んだが朔羅はニコニコしているだけだった。






『…独りで居たくない日もあるでしょ?…特に雨の日は…』
そう静かに言いながら朔羅は窓に近付き外を見た。

外ではまだ大粒の雨が降り続いていた。





三蔵も窓の外を見ると、お酒の入ったグラスを片手に朔羅の側まで行くとお腹に手を回し朔羅を後ろから包み込んだ。







『…さ・三蔵!?』
「生意気な事言ってんじゃねぇ。」
吃驚して後ろを振り向いた朔羅を三蔵は優しい目で見下していた。







「テメェは飲まねぇのか?」
普段と変わらない声色で言う三蔵に朔羅は苦笑いで返した。




『…私、それ飲めないから…ι』
そう言われて三蔵は朔羅のお腹の前にある自分の手の中のグラスを見た。






中身はバーボン。
朔羅はビールと焼酎しか飲まない。
自分から誘っておいて何言ってやがる。と思ったが三蔵は一つの案が脳裏に浮かんだ。






「…なら、俺が飲ませてやる。」





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