幻想魔伝

□俺の葛藤
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普段なら二回 、三回と続けるが今日は気分が乗らず一回だけ済ますと女の家を出て自分の泊まっている宿に向かう。



ジャケットのポケットから煙草を取り出し火を着けると胸一杯に吸い込み紫煙を空に向かって一気に吐き出す。



「…どうしちまったんだ…俺は…」
俺の小さな独り言は暗い夜空に吸い込まれて行った。





バーで呑んでいても女とベッドインしても浮かぶのは朔羅の笑顔ばかり。

朔羅は三蔵一行の紅一点。
明るく気さくな性格で皆に平等に接して平等に気にかけている。



八戒が連れて来たせいか、朔羅は八戒と一緒に居る事が多い。
八戒も皆に優しいが朔羅には特に優しい…と言うか甘い。




今日も借りた宿の台所を借りて二人並んで皆の夕飯を作っていた。
…笑いながら。




いつもの事だが何故か今日はそれを見て苛ついた。
それを見たくなくて夕飯も食べずに宿を飛び出しバーで酒を煽り、近寄って来た手頃の女を抱いた。






そんな事を考えていると、いつの間にか宿に着いており入り口で吸っていた煙草を足で揉み消し中に入り部屋に向かった。








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