幻想魔伝

□拾い物
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朔羅と初めて出会ったのは一ヶ月前の夕焼けの綺麗な日だった。


この日も街まで買い物に行っていた八戒は夕飯は何にしようか考えながら家への帰路を歩いていた。

もうじき家に着く。と言う時に森の奥から聞こえた何かが落ちる音に女性の声。
八戒は不審に思いながら音のした方へ足を向けると、尻餅をついている女性を発見した。






「大丈夫ですか!?」
八戒は慌ててその女性に近付き、空いた手を差し出した。

「あっ…。ありがと……!?八戒さん!?」

「えっ??何処かで会った事ありましたか?」
見覚えの無い女性に突然名前を呼ばれ不思議に思いながらも女性の手を引き立ち上がらせた。





八戒に立ち上がらせて貰った女性は、自分のお尻に着いた土をパンパンと払うと顔を上げて八戒の顔を見上げた。





「すみません。突然名前を呼んでしまって…。会った事は無いです…」
なら、どうして名前を知っているのかと疑問に首を傾げる八戒に、言葉を続けた。






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