外伝
□至福の時
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『捲簾様？』
可愛らしい声で捲簾を探し回る女は朔羅。
観世音菩薩が拾って来た異世界の女。
そして西海竜王敖潤の【妹】として天界で暮らしている。
「朔羅ちゃん！此処。」
捲簾は桜の木の枝に登って一人花見をしていたが、朔羅の声に下を向き声を掛けた。
『もう！またそんな所で…』
朔羅は呆れ顔で捲簾を見上げた。
『降りて来て下さい！』
朔羅が桜の木の側に寄ると捲簾は手を差し出した。
『え？』
「朔羅ちゃんもおいで。」
優しく微笑む捲簾に朔羅は戸惑いながらも手を伸ばし捲簾の差し出した手を掴んだ。
捲簾は朔羅の手をしっかり握ると朔羅が痛くない様に引き上げ自分の膝の上に座らせると後ろから包み込んだ。
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