幻想魔伝

□曖昧な関係
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『…ふぅ。…今日も疲れた…』
誰に言うでも無く朔羅は煙草の煙を吐き出しながら呟いた。





此処は吠登城の上層階に位置する朔羅の部屋がある階の廊下。
其処は外に面していて辺り一面を見渡せる。





煙草を持っていない方の手で柵に置いてあったグラスの中身を体に流し込むと他人を苛つかせる様な独特な喋り方の男が現れた。






「溜息をつくと幸せが逃げちゃうよ〜?」
その声と同時に暖かな温もりと薬品の匂いと煙草の匂いに包まれた。







『…誰のせいだと思っているんですか…?』
後ろから抱き締めてきた你健一を気にするでも無く呆れた様に呟いた。






僕のせい?と声色を変えずに静かに囁く様に言うと你健一は朔羅の首筋にリップノイズを立てながら口付けた。







「あれ?抵抗しないの〜?」
朔羅の首筋に舌を這わせながら你健一は目線だけ上にあげて朔羅の顔を見た。







『…まぁ……夜だから?』
と朔羅はまたグラスを手に取ると口に運んだ。
そんな朔羅に你健一は、朔羅の着ていた服の下から手を入れると下着の上から胸を揉み出した。






『…ヤリたいなら、誰かさんの所に行ったら?』
冷たく言い放つ朔羅に、你健一は手の動きは止めずに頭を上げ朔羅の頭に顎を乗せた。








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