幻想魔伝

□もう一人の大切な人
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三蔵一行から経文を奪う為に今日も闘いを挑む。…と言う名目で奴等の行く手を阻む。


だが本当の目的は…。








『あっ!紅孩児♪』
ジープの通れない森を歩く三蔵一行の前に降り立つと紅一点の朔羅が笑顔で俺に駆け寄り腕の中に飛び込んで来る。

其れを俺は難無く受け止めると朔羅の背中に両手を回し抱き締めた。





其れを目撃した三蔵達は青筋を浮かべながらを各々の武器を構え俺を威嚇してくる。







「何しに来た?」
「朔羅ちゃんを気安く抱き締めんな!」
三蔵と独角兕の異母弟が吠える。



そんな三蔵達に挑発的な笑みを向ける。
「今日は貴様らと遊びに来た訳ではない。…朔羅お前に用がある。」
下を向き未だ俺の腕の中に収まっている朔羅に笑みを向けた。






『ん?何?』
笑いながら見上げた朔羅の顔に俺は理性を失いかけた。





「移動するぞ。」
そう言うと俺は地面を蹴り空高く舞い上がると近くの木の枝に一旦着地した。




「あっ!待て!!朔羅をどこ連れてくんだ??」
猿が上を見上げながら叫んで来た。




「…危害は加えない。」
そう言うとまた木の枝を蹴り上げ朔羅を連れて姿を消した。








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