幻想魔伝
□俺の葛藤
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部屋の中は真っ暗。
今日は一人一部屋借りれられたのだから当たり前だ。
部屋の電気を着けると、ベッドに備え付けの寝台に何か置いてある。
何だろ?と近付いてみると、おにぎりと野菜スープと手紙が置いてあった。
おにぎりに掛けてあるラップを剥がし口に運びながら手紙を手に取り目を向ける。
「………っ!?」
手紙をベッドに放り悟浄は部屋を飛び出した。
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悟浄はある部屋の前に立っていた。
そして遠慮がちにノックをして声を掛けた。
「…起きてるか?…朔羅ちゃん。」
直ぐに扉が開きパジャマ姿にいつもは髪を結んでいる髪を降ろしている朔羅がいた。
『…おかえり。今日は早かったんだね…!?』
朔羅が言い終わると同時に悟浄は朔羅を抱き締め扉を閉めた。
『ご・悟浄さん!?どうしたの?』
抱き締められている悟浄の腕の中で藻掻きながら声を掛けるが更にキツく抱き締められ、朔羅は身動きが取れなかった。
「…おにぎり、ありがとう!…美味かった。…後手紙も…」
いつもの声とは違い優しく囁く様に言う悟浄の声に朔羅はただ無言で頷いた。
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