悪役ノ手下ノ”ユメ”
□ハッピーヴィランズ
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V様に連れてこられたのは"ホーンテッドマンション"。
ここに、自分以外のリクルーター達がいるのかと思うと、不安もあり興味もあった。
「さて、これから他のリクルーター達に会うが……君の一人称は"自分"なのかい?」
急に聞かれて、どういう意味なのか分からなかった。
「折角女性リクルーターとして生まれたんだ、もう少し女性っぽく振舞っても良いんじゃないか?」
そこで自分は、V様なりに気を使っているのだと理解し……
『分かりました、では……私で宜しいですか?』
「ん〜……堅苦しくなくなっただけでも良いか。」
そう言いながらマンションの扉を開けた。
じぶ……私もその後に続いて中に入った。
暫く歩くと、目を前に大きな扉が現れた。
「ここは大広間で、皆この中に揃ってるはずだ。」
『そうですか……』
これから会う人達に、無性に緊張していると、いきなり両肩に手を置かれた。
勿論、目の前にいるV様では無く……
「やぁ、君が最後のリクルーターだね?
僕はジャックハート、宜しくね〜!」
後ろを振り向くと、頬にハートのペイントをして、ハートが特徴の服を着ている男性がニコニコしながら立っていた。
「こらジャックハート!
いきなりだとシーラが驚くだろう!」 (以後、V)
「えぇ〜、僕なりに緊張を解そうと思ったんだよ!」 (以後、ハート)
V様と、ジャックハート様が口論していると、ジャックハート様の後ろからもう一人の姿が……
「……おい、入り口塞いで邪魔なんだよ。」
ハート「あ、エイトフット!
見て見て、今日来たリクルーターのシーラちゃん!」
『いきなりちゃん付けですか?
……えっと、シンデレラのトレメイン夫人がマスターヴィランズの、バトラー・シーラと申します。
お名前伺っても宜しいですか?』
髪が逆立っていて、タコの足がモチーフのスーツを着ている男性に話しかけると……
「ぁあー………………リトルマーメイドのアースラ様がマスターヴィランズ、エイトフットのジョー。」 (以後、ジョー)
やややる気なさげに自己紹介して下さったジョー様。
『宜しくお願いします、ジョー様。』
ジョー「あぁ……おら、さっさと入るぞ。」
ジョー様が半ば強引に私の腕をつかみ、大広間の中に入って行った。
すると、大きなソファに座っている男性と優雅にお茶をしていた女性が気づき……
「遅いぞ二人とも!!
……って、もしかして君がシンデレラのヴィランズリクルーター?」
『はい、トレメイン夫人がマスターヴィランズのバトラー・シーラです。』
「僕はクルエラ様がマスターヴィランズの、Mr.ダルメシア!!」 (以後、ダル)
「私は、ハデス様がマスターヴィランズのMs.ハーデスです。」 (以後、ハーデス)
犬のダルメシアンのぶちが特徴的な服を着ているダルメシア様と、全身が青くスラットした体型のハーデス様。
『宜しくお願いします。
……後の方々は?』
ダル「あぁ、もうすぐ来ると……」
「かぁわぁいぃぃぃぃぃ!!!!」
いきなり後ろから衝撃が。
何とか踏ん張り、後ろを向くと……
「いや〜ん、スカー並に可愛い!!」
テンションが高い女性がいました。
『初めまして、私は……』
「あ、大丈夫! 自己紹介は聞いたから!
私は、スカー様がマスターのプリティ・スカーちゃんだよ!」 (以後、スカー)
何とも元気があって可愛らしい方でした。
『……くす、スカー様は可愛いですね?』
スカー「駄目ぇ! 様なんて付けないで!」
『っで、ですが……』
スカー「駄目ったら駄目ぇ!
……むぅ、ならぁこうしてやるぅ!」
ー……っちゅ!ー
『っ!』
ダル「ああぁぁぁぁ!!」
ハーデス「あら。」
ハート「エイトフット、早くティッシュ!」
ジョー「……」
ジャックハート様がジョー様に話しかけますが、ジョー様が動きません。
ダルメシア様とジャックハート様が近づくと……
ハート「おっと!……って、また気絶してる。」
ハーデス「はぁ、気にしないでください。」
『は、はぁ……』
少々個性的な面々だが、一緒にいて苦ではない。