* novel
□Crossing Love(龍司)
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ハァ、、ハァ、
ん、んーっも…ぉア、カン…っ
歯を食いしばり、そう言って龍司が私の中で果てた。
肌を重ねる度に、
最後のこの顔が愛しくてたまらなくなる。
黄金色の前髪が垂れ下がり、
顔に息がかかるほどの距離にいる私の愛しい人。
この時ばかりは私だけのものだと感じられる。
ふわりと頬を撫でられ
親指でなぞられながら唇を触り
キスをされる。
「お前は、何を見てるんや」
私たちに未来なんてない。
今、この時があれば、
それでいい。
……それで、いいんだよね、?
愛しくなればなるほど、
こんな時ですら自問自答を繰り返してしまう。
「…ん?なにも…。
龍司、……愛してるよ」
「フッ…
愛してそうな顔してへんで。
お前がそんな顔してそうゆう甘ったるいことを言う時は頭ん中がゴチャゴチャなっとる時や」
気づいとるか?と顔をのぞき込まれる。
左の口角を上げ、ニヤッと笑う龍司。
「お前は色々考えすぎや。
それに、どこを見とるんかわからん時がある」
そう言いながらベッドから抜け出し、腰をかけ、煙草に火をつける。
「お前はワシに、嫌々抱かれとるんか?」