クリスマスケーキ(サイタマ×ジェノス)
□クリスマスケーキ
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ジェノス「寒くなってきましたね」
サイタマ「そうだな。…って、お前その身体で寒いとか暑いとか感じるの?」
ジェノス「少し動かしにくくなります」
サイタマ「ふーん、大変だな、そりゃ」
俺が先生の家で住み始めてから初めての冬がやって来た。今年は大寒波らしい。
最近は怪人は出てこず、平和な日々が続いていた。こんなにのんびり過ごしていていいのか疑問に思うことはあるが、先生の落ち着いた様子を見ていると俺も安心してしまう。
ジェノス「先生」
サイタマ「どうしたジェノス」
ジェノス「ケーキ買いましょう!」
サイタマ「え」
サイタマ「なんでいきなり」
ジェノス「今日はクリスマスです」
サイタマ「あれ、そうだっけ」
ジェノス「そうですよ」
先生にとって、その日が今日が何日か、といったことは関係ないのだろう。
サイタマ「でもケーキったって…」
ジェノス「…?甘いもの嫌いでしたか?」
サイタマ「そういうわけじゃねぇけど」
そう言って先生は黙りこんでしまった。
ジェノス「……なにか問題でも…?」
サイタマ「………なんか、さ」
しばらく沈黙が続いたあと、
サイタマ「俺、もう25なんだぜ?しかも男二人でケーキって……」
それを聞いたとき、………俺は自分の心がズキッとなるのを感じた。クリスマスというのは、きっと世間では………恋人同士のイベント…だろうから……。
ジェノス「…そうですよね、すみません先生」
先生を困らすつもりはなかった。むしろ一緒に楽しむことができたら、俺は………
サイタマ「…なんてな!」
いきなり先生が俺の肩を叩いた。
サイタマ「せっかくだし、買いに行くか!」
ジェノス「…!!!」
ジェノス「はい!!!」
クリスマスの日に一緒にケーキを買いに行く、たったそれだけの事だったが、……何故だろう。
………先生に一歩近づけたような気がする。