浮遊物

□虎鰐 C
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「ったく、どこ行きやがった」

1つため息を吐いた

探し物があって港町に足を運んだのだが、一緒に来たシャチとはぐれてしまった

俺は人ごみは大嫌いだ
だから人の居ない路地を歩いていた

そこで明らかに存在感が違う大きな建物を見つけた

「まさかこんなところにいるとはな…」






ふぅっと白い煙を吹いてワインを口に含み喉に通す

ルームサービスも充実した上に、宿泊客の情報はたとえ海軍であろうと決して流されることは無いと言うホテルに泊まっていた

グラスをテーブルに置き、また葉巻を吸おうと口に近づけた時だった

突然視界が遮られ、足におそらく人間であろう体重がののしかかって来た
服に生ぬるい不快感が広がっていく

口には柔らかな感触、右手にあったはずの葉巻は無く、変わりにその人物の首のあたりを抑えている

そして次第に口にあてがわれていたものは口を覆い中を犯すように侵入してきた

あまりに突然の出来事だったため、体が動かなかい

「よぉ、鰐屋、久しぶりじゃねぇか」

ようやく状況を理解する
俺はこの男にキスをされたのだ

「てめぇ…!」

すぐに殺してやろうと思った

「カウンターショック」

電撃を発生させた親指を首に押し付けられ全身に痛みが迸る

「ぐぁあっ!!」

「水かけて正解だったな」

この小僧、わざわざ水を被ってきたらしい

「くっ…何のつもりだ」

「さぁな」

そう言って俺を押し倒し服に手をかけ始めた

「おいやめろ!」

「ラジオナイフ」

サーブルスで吹っ飛ばしてやろうと掌に旋風をおこすがラジオナイフで何の躊躇もなく肩のあたりから腕を切断された

肩の切断面を舐められ背筋に寒気が走る

そしてまたニヤニヤと服を脱がせにかかり始める

「あんまり暴れると次は足も切断するぞ」

それも悪くねぇけどな、とまた嫌な笑を浮かべる

こいつの性癖完全に腐ってやがる

「う〜ん」

手を止めて俺の顔をジロジロ眺め始めた

「よし」

そう言って自分のズボンに手をかけ始めた

何がよしだ、何もよくねぇ!嫌な予感しかしねぇ!

そしてついにあらわになったモノを自分の前に出してきた

「なめろよ」

ふざけるな
誰がこんな小僧のモン舐めるか

「何なら無理やりねじ込んでやってもイイんだぜ?その前に歯切断する方が先か?」

いや、噛まれるのも悪くねぇかも、とか言い出した

「キモ、うぶっ!」

しまった、キモイと叫んでしまった
その隙を逃さず口の中にモノがねじ込まれる

「やめっ、このっ!!」

頭をつかまれて根本まで口の中にねじ込まれて息が苦しい

「ハァハァ言ってんじゃねぇか、お前フェラ好きなのか」

「ひげぇよっ」

何勝手な解釈してやがる
クソッ、喋ると舌が動いてコイツを刺激するだけだ

どうにか引き剥がそうとしたその時、切断された腕が砂になって戻ってきた

野郎ぶっ殺す、そう思った瞬間胸に今までにないくらいの激しい痛みが走った

「俺の言う通りにしないと、コイツが潰れちまうぜ?」

ヤツの手には四角い透明の箱のようなものに詰められた俺の心臓と思われるものが握られていた

更に因みに俺は死体でも興奮する、と付け加えてきた
ここで生き恥晒すくらいなら死んだ方がマシだと思ったが
この俺が死ねばニュースになる事は間違いない
この俺がルーキーに殺されて死姦されたなんて新聞に書かれるなんて絶対に嫌だ
薬漬けにされる可能性もある

もしかしたら売られたりなんかも…

「おい、集中しろよ」

また胸が痛んだ、心臓を文字通り握られていてはどうすることも出来ない

「ちゃんと舌使えよ」

言われるがままに舐めさせられる
悔しさで涙が滲んだ

「うっ…くっ、」

「んっ…いい顔だ、そろそろイきそうだ」

何だって!?

「はっ…やめっ」

「吐いたらやり直しな」

吐いたらやり直し…そんな言葉が頭の中をこだまする

「んっ、んんんっ!!!」

そしてあのバカは俺の口に出しやがった

「吐いたってかまわないぜ?」

そう言って口を抑えるクロコダイルの顔をのぞき込んだ

嗚咽と共にゴクリと喉を鳴らす音が響き
ローは満足したようにニヤリと口角を上げた

「キスしてやりたいとこだが、俺の精子残っててきたねぇしな…」

こっちのセリフだド畜生
今すぐ胃の洗浄してぇ

「ゴホッゴホッ、い、いい加減にしろよっ」

「さて、どうするかな」

鰐屋との久しぶりの再会だ、楽しませてもらうぜ
グラスを手に取りワインを顔にぶっかけてみる
あいかわらず鰐屋は俺を睨みつけている

まさかたまたま見つけた建物をスキャンしたら鰐屋がいるなんて、こんな奇跡があるとは
そしてシャンブルズで葉巻と入れ替わる

暴れれば手足は切断すればいいし、心臓なんかを抜き取っておけば意のままだ

こんな能力を与えてくれたあの人には感謝してもしきれねぇ…←
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