私とみんなの普通の日常
□王者の秘密のお姫様
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ゆんちゃんと楽しくおしゃべりをしていると、ガタリお音をたてて隣の席に誰かが座った。
ちらっと見てみると、とっても綺麗な赤色の髪の男の子だった。
「あ!ブンちゃん!おはよー!」
「ん?お、ゆう同じくクラスだったのか!はよ!」
「?ゆんちゃん、お友達?」
「んっとね、いとこなの!」
ゆんちゃんに話しかけたことで私に気づいたのか、ゆんちゃんにブンちゃんと呼ばれた彼が話しかけてくる。
「俺丸井ブン太!シクヨロ!」
ぱちんっと音がしそうな見事なウインクを決めた丸井くんは、なんというか可愛らしかった。
「ふふ、八重すずほです。よろしくね、丸井くん」
「すずちゃんはあたしのお友達なんだから手出したらダメだからね!」
「誰が出すか!」
「ふふっあははっ」
さすがいとこというか、すごくテンポよく掛け合いをするものだから、面白くてつい笑ってしまう。
「あー!ブンちゃんったら赤くなってるー!」
「ばっ!なってねぇし!おま、馬鹿だろィ!」
「馬鹿とはなによ!?もー怒った!」
「ふふ、そこまでにしてね、2人とも。もう入学式の時間だよ?ほらほら、廊下に並ばなくちゃ」
ぽんっと2人の背中を押せば、渋々といったように2人とも廊下に出た。
「本当に楽しみだな、これからの毎日」
並んでからも騒いでいる2人を笑って眺める私を、少し微笑んで見ている人がいたことを、私は知らなかった。
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補足。
ブン太と仁王が同じクラス設定になっていますが、気にしないでください。
3年のクラス分けで、2人は3-Bで同じクラスですけど、それでも気にしないでください。