成り代わり的MY LIFE
□星霊魔導士は笑わない
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「…………この街、魔法屋一軒しかないのですか?」
「ええ……元々 魔法より漁業が盛んな街ですからね」
魔法屋のおじいさんは続けて言った。
「街の者も魔法を使えるのは一割もいませんで、この店もほぼ 旅の魔導士専門店ですわ」
「………無駄足でしたね、シロガネ」
「ガゥ……」
肩を落とす私に店主は新商品も揃ってるから見ていってくれと言う。
「おや……白い子犬(ホワイトドギー)がありますね」
「強力なモンじゃないよ?」
「いいんですよ。実は探していたんです。今はシロガネがいるのでなんとも言えませんが、元々愛玩星霊も欲しかったのです」
白い子犬の鍵が入った箱を持ち、会計へと進む。
「店主さん、おいくらですか?」
「2万J」
「あらまあ…高いですね、では良いです」
くるっと振り向き出ていこうとする私とシロガネ。
慌てて店主は引き止めてきた。
「欲しいんじゃなかったの!?」
「いえ、白い子犬で2万Jは高いですし、シロガネがいるのでわざわざ高いお金を払って買わなくても良いので」
「まけるよ!まけるから!」