operation!

□忘年会
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午後7:00

某焼肉店

「さて、今年も終わろうとしてますが、1年間お疲れ様!と、言っても防衛任務は年中無休!今日防衛任務してくれてる一部隊員に感謝して、明日からも頑張るわよ!」

そう、ジョッキを持って言うはオペレーター長、広瀬 奏。

しかし、そんな短い挨拶にも机と肉を囲む中高生はソワソワしている。

「奏さぁーん!さっさと食べようよぉー!」

と箸を持ち手を振るのは緑川。

「…まぁ…あんまり長いのもアレだけど…駿…忍耐無さすぎ…」

「だってぇー!!」

奏は思わず苦笑した。

「いいわ、それじゃあ、今年一年お疲れ様!三門市の平和のために私達と戦ってくれてありがとう!乾杯っ!」

「「カンパーーイ!」」

という音頭を皮切りに肉の焼く音が辺りを包み、注文が飛ぶ。

「ちなみに今日の食べ放題、中学生以下は私らのおごりだから気にせず食べなさい!」

その一言に年少組の中学生達が沸いた。

「奏〜おつかれ〜」

と生ビール片手に寄ってきたのは沢村、東の同い年の二人。

「響子!春!おつかれ〜!」


────忘年会

忘年会(ぼうねんかい)とは、年内の苦労を忘れるために年末に行われる宴会である。宗教的意味付けや特定行事様式の無い日本の風俗の一種である。

(Wikipedia 引用)

「もう来年かー…今年も早かった…」

「年取ると一年が早く感じるって言うよな」

「ちょっ!それ春も同い年だから!ブーメランッ!」

「でもよく考えると長かったくない?今年は年の瀬に色々あったけど」

と、いう沢村の言葉に奏は考えを巡らせる。

「まあ…そうねぇ…」

「それにとうとう忍田さんと奏、付き合っちゃうしぃ〜?」

沢村がニヤニヤして言う。
それに同調するかのように

「やっぱりか」

と東も言い、穏やかに笑った。

いつも年下の前では年長として、
年上の中では子供扱いをされる奏だが、25歳の同い年のメンバーではこれもやはり違うらしい。

「奏さーん!!」

「!米屋、出水、駿?どうしたの?」

「いやいや、どうしたじゃないって!食ってるー?」

と肉の盛られた皿を持ってくる三人。
それを奏達の前に置いた。

「あら、ありがと」

「遠慮なく貰うな」

「そこそこ食べてるんだけど…まぁ貰っとくわ」

彼らなりに気を使ったのだろう。
特に緑川は奢られる立場だから。
しかし、そうは言ったものの食べ放題とはいえ次々と注文が飛ぶ。
さすが大部分を中高生が占めるだけあるというものだ。
数人、成人した者にも出来上がったものもいる。

「毎年ながら、あの子達よく食べるわ…」

と呆れる大人たち。

上層部────と、言っても保護者代わりの20歳以上もそこそこ多いので逆にそのへんの若いのがハメを外さないようにと、忍田、唐沢がいる程度。

「飲んでますか?忍田本部長」

「唐沢さん。ええ、でも二次会があるので」

「私達は保護者がわりですからね」

「はい。今は軽くとしか」

「ですね」

と上座から少し外れたところに座った二人が会話をする。

落ち着いた二人はそう言ってジョッキのビールを少しずつ消費する。

2時間半の制限の中、一体彼らはどれだけ食したのだろうか。
食べ盛りの男子の胃袋は馬鹿にはできない。

────

「はい!ラストオーダーよ!飲み物食べ物デザート頼んじゃいなさい!」

と言う声と共に鎮圧されていた注文がまた飛ぶ。

「忍田さんと唐沢さんもちゃんと食べたー?」

「あぁ。食べたよ」

「俺もそこそこ食べたから気にしないでくれ」

二人の前の皿は大して使われてはないが奏はそれには触れず

「んー…まぁ二次会もあるしね…」

午後9:30までの一次会で中高生は解散。
その後居酒屋にて大学生以上での二次会があるのだ。



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