operation!

□慕情の先
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自分は強いって知っていた。
勿論、トリガーがあっての賜物だし、それを使ってそこそこ長いし簡単には負けないって自信もあった。

だからこそ、ずっとついて来る足音にもあまり気を向けず、無視を続けていた。

隊員の頃から、四年以上。
気持ち悪いが生身でもそこそこ鍛えている。

だから、誰にも心配をかけたくないから、誰一人にだって言ったこともない。
最初は飽きるだろうと放っておいたが四年。
四年と一言で言えばそんな物だが、長い。

実害は出ていないから、警察でも取り合ってもらえるとは思えない。

しかし、オペレーター長の職に就いてからは帰宅が少なくなりそんなことも忘れていたのだ。

───────

「奏さん」

奏の背後から声をかけられる。

「・・・迅?」

迅はいつもの食えない笑みは真剣な表情だった。

「送るよ」

「突然どうしたのあんた・・・」

「今日は帰るんでしょ?」

「まぁ・・・そうだけど・・・」

そう答える奏の隣に迅は立ち軽く後ろを見た。

「・・・?どうしたの迅?」

「・・・いんや。なんもないよ。ほら暗くなる前に帰ろ、ぼんち揚食う?」

「いる」

1枚袋から取り出し、ポリポリと食べる。

「・・・奏さんさぁ、なんかにあってない?」

「はぁ?なにが?」

迅は帰り道の途中にそう切り出した。

「ストーカーとか、さ」

「うーん・・・特には」

「しばらくは一人で帰んない方がいいよ」

真剣な迅に奏は怪訝そうな表情をする。

「そんなこと言ったって、大丈夫よ。トリガーだってあるし?」

「管理職になってからいつも持ち歩いてるわけじゃないでしょ?」

「ん〜・・・いや、メンテ以外は持ち歩いてるからさ。平気平気!一般市民だろうがさすがに正当防衛でいいっしょ」

と気楽に笑う。

「も〜・・・真剣に考えてよ。誰かに言ってないの?」

「・・・さぁ、ね。あ、ここだから。ありがとう送ってくれて。迅も気をつけて帰んなさいよ」

「俺は大丈夫だよ」

とマンションへ入っていく奏にヒラヒラと手を振る。

「─────・・・俺じゃ尻尾つかめないンだよなぁ・・・あ、もしもし?忍田さん?」


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