operation!

□新たな危機
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正式入隊日翌日。
元S級隊員迅 悠一が上層部の面々に召集をかけた。

机の右側手前にはオペレーター長奏。
その隣には忍田、沢村、林藤と続き、
反対左には唐沢、根付、鬼怒田と座る。
再奥には最高司令官の城戸が座り、一般の隊員ならビビリ上がってとてもじゃないがこんな空間に正気でいられるようなものではない。

「迅の召集ってことは予知関係ですかねー?」

「だろうな」

軽い会話以外にはそこにほとんど音はない。

その時、がチャリと扉が開いた。

「失礼しまーす。どもども〜」

入ってきたのは呼び出した張本人、迅 悠一。

「時間ぴったり…」

むしろ後数秒遅ければ遅刻くらいの時刻。
呆れたようにため息をつく奏だが、それを無視し、城戸が迅に問いかける。

「それで、迅。今日の用件は?」

「まぁまぁ焦らないでよ」

椅子に座ると先までの食えない笑みでもおちゃらけた表情でもなく真剣な顔つきになる。

「前々からうっすら見えてたんだけど、ほとんどの流れが確信になったから報告するよ。
近々、大規模な侵攻が起こる」

その一言に会議室の空気がピシリと固まり、全員の表情に緊張と厳しさが浮かぶ。

「大規模、というと、どの程度だ?
四年半前よりも大きいと?」

「うん。かなりでかい。
市民に被害が出るパターンもあるしそれが最小限に抑えられるパターンもあるけど、少なくとも警戒区域は余裕で突破される」

「なるほど、ね。
敵が何かはわからない?」

「そこなんだよねぇ、会ったことあるなら分かるだろうけどそれは見えない。つまり、俺が会ったことが少なくともない、遠征にも行ったことのない国、なはず」

「そういう事なら対策会議を後日正式に開く
オペレーター長。何人かA級部隊隊長に出席するように連絡を。早い方がいい。明日だ」

「了解です。
そうなると…とりあえずは蒼也と秀次でいいですかね?」

「あ、そうそう」

考える奏の言葉に迅が声をかける。

「おそらく今回の大規模侵攻、鍵になるのはうちの新人たちだ。当日の玉狛の動きは俺に任せて欲しい」

「なぁにぃ?何を企んでるんだ迅!」

「何も企んでないよ。ただ、自由にさせて欲しいだけだよ。動きの問題上。
許可が必要な場合は事前に申告するし、さ?」

「…いいだろう。勝手は許さん」

「どうも」

「…で、敵がわからなきゃ対策を打つにしても限られるけど…」

奏が考え込むようにすると林藤が

「ならいい奴がいる。
近界民にも近界にも俺たちより数倍詳しいやつがな」

「!」

「会議を先に軽くしてから呼べばいい」

「まさか」

「忍田さんビンゴ
遊真だよ」



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