operation!

□非公開模擬戦
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訓練室内の風間が突如として消える。

「!消えた!」

観戦してた遊真が乗り出し興味津々にそれを見る。

ドッと瞬時に三雲のトリオン供給機関が破壊される。

「バカだなー訓練室ならトリオン切れしないからカメレオンも使い放題。勝負になんないよ」

菊地原はそう悪態をつく。

「あら、それは三雲くんも同じ条件下よ?」

「…奏さん聞いてたんですか?
盗み聞きなんて悪趣味だなー」

「おい菊地原!すいません」

「そんなこと言うのはこの口かー!」

ニヤリと笑った奏は菊地原の頬をムニッと引っ張る。

「いっいたっ!ちょっと!今生身なんですけど!暴力反対!」

「んふふ〜まぁ、見てなさいな!」

手を離し再び遊真達の元へ戻る。

その間も訓練室では三雲が何度もダウンをさせられる。

「ボーダーには面白いトリガーがあるなー」

「『カメレオン』
トリオンを消費して風景に溶け込む隠密トリガーだ」

「ふーむ…おれならどう戦うかな……」

「カメレオンは確かに強力だけど、それ以上に使いこなせなければ諸刃の剣
風間隊はカメレオンを使用する上ではボーダーでも屈指の使い手
でも、三雲くんなら気づくわよ
彼はそこらの隊員よりもトップ部隊の戦闘を間近で見てる」

「トップ部隊?」

「…三輪隊、とかね」

「三輪隊の?なるほど…」

「アステロイド!!」


ボッと訓練室内にアステロイドを放つ。
が、背後から風間は三雲を串刺しにする。

「烏丸先輩、奏さん。もうやめさせてください。見るに耐えません」

木虎が、ほんのり頬を染め烏丸と奏に修を止めるよう進言する。

「三雲くんがA級と戦うなんて早すぎます。勝ち目はゼロです」

「なんだ?修の心配か?」

「えっなに藍、まさか三雲くんに「なっ…!ちがいます!!」…そんな食い気味に否定しなくても…
でも、決めるのはあの子達だから。藍だって経験を得るために強い人と戦うでしょ?」

「そうそう。オサムだって別に今すぐ勝てるとは思ってないだろ。
先のことを考えて経験を積んでんだよ」

「私は違います。『ダメで元々』『負けても経験』如何にも三流が考えそうなことね。確かに負けは経験になりますし、それも反省点として今後に活かせます。でも、これは違います。勝ち目がゼロの戦いとは違う。勝つつもりでやらなきゃ勝つための経験は積めないわ」

「つまり、『負けに慣れる必要はない』って言いたいのかしら?」

「…簡単に言えばそうです。負けて当然なんて思ってるうちはのし上がるなんて不可能ですから」

「ほう?」

「お前いいこと言うな」

烏丸が感心したように木虎に言う。
照れたようにこほんっと咳払いをする。

「いえ、それほどでも…」

「しかしまぁ、奏さんも言った通りいつ終わるかは始めた二人次第だからなぁ」

「お、終わったっぽいよ」

遊真の言う通り訓練室では風間がスコーピオンを仕舞い踵を返した。
が、修が風間に話しかけまだ会話を続ける。
不意に風間はこちらを指差した。

「…あら、何を話してるのかしら」

「?まだやるみたいだぞ?」

風間がまた、修に振り返りスコーピオンを出現させる。

「なんで…!?もう充分負けたでしょ…!?」

「いい目。なにか掴んだかしら」




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