operation!

□正式入隊日
5ページ/5ページ



「あれが、迅の後輩…
なるほど、確かに使えそうなやつだ」

上には風間がいつの間にか立って見ていた。

「そうですか?誰だって慣れればあれくらい…」

菊地原は不満そうに言うものの正隊員でも1秒切りというものは流石に難しい物がある。

「今全て腑に落ちたわ…」

「…え?」

「貴方の学校を襲った近界民……倒したのはあいつね?そうでしょ?」

「うっ…」

「あらあら、あっそうか、三雲くんが倒したことにしてたんだっけ? 」

「!やっぱり!そう言う事だったのね!
三雲くんにあんな真似出来るわけないと思ってたわ!」

木虎が嬉しそうに三雲を見る。

「…なんで嬉しそうなのよ藍…」

と奏が、思わず苦笑した。

「修」

コツコツと向こうから一人の青年が歩いてくる。

「あ」

「あら」

「!!か…かかか、烏丸先輩!」

そこにいたのは烏丸京介、玉狛第一のオールラウンダーであり本部にいるのは珍しい。

「おう木虎、久しぶりだな
それに、奏さんも。やっぱこっちにいたんすね」

「久しぶりねー」

「ええ、悪いなバイトが長引いた。どんな感じだ?」

「問題ありません。空閑が目立ってますけど…」

「まあ目立つだろうな。今回も嵐山隊が入隊指導担当か。大変だな」


「いえ!このくらい当然です!
烏丸先輩…最近ランク戦に顔を出されてないですよね。お時間あったらまた稽古つけてください…!」


「…あの、あれは…」

三雲が怪訝そうに木虎を見ると奏に問う。

「青春よ青春〜若いっていいわねー」

ニヤニヤと先とは違う表情をした。

「いや、お前充分強いだろ。もう俺が教えることなんてないよ」


「そんな…私なんてまだまだです…」

「ん?そういや、お前修と同い年か」

「?はい、そうですね」

「じゃあちょうど良かった」

と言う烏丸は爆弾投下する。

「こいつ俺の弟子なんだ。木虎も色々教えてやってくれ」


…………………「!?弟子………!?」

木虎が目を見開く。

「弟子というとその…………」

奏がうわぁ…と半目で口元を引きつらせて木虎を見る。

「一対一で指導する的な…?」

「そうそうそんな感じ
だいぶ先は長そうだけどな」

「すみません…」

三雲が冷や汗を垂らした。

「さて、嵐山さんにも挨拶しとくか」

「あ、嵐山さんはむこうです」

固まる木虎を見て奏は烏丸の方へ行く。

「…あんたねぇ…鋭いのか鈍感なのかはっきりしなさいよ…」

「?…なんの話ですか。
あ、そうだ。奏さん、おめでとうございます」


「…は?」

「え?忍田本部長と付き合うことになったんですよね」

「ちょっおまっ京介!」

「え!?」

と三雲が奏の方を驚いて見た。

「みんな知ってますよ。長かったみたいですね」

「う、うっさいわね!!誰から聞いたの!?」

「宇佐美先輩です」

「し、栞ィィィィィ!!!」

「そ、そうだったんだ…」

「三雲くん知らなかったの?まぁ本部所属じゃないとあまり知らないかもしれないわね」

木虎が胸を張った。

「いや、なんであんたが説明してんのよ…」

奏はため息をついた。

その頃下には

「…よし、お前の強さがまぐれじゃないことはわかった。合格だ
俺たちと組もうぜ。強者同士が手を組めばより上を目指せる」

甲田が遊真に手を差し出し勧誘するも

「お断りします」

と、一刀両断する。

「な…!?」

嵐山はそれを見て

「三雲くんと組むんだろう?」

「うんそう」

すると

「…なるほどな」

と先の声が聞こえる。

「風間さん来てたんですか」

と嵐山がそちらに気づき声をかけた。
すると手にはトリガーを持っている。


「蒼也がいるなんて珍しい…」

「訓練室をひとつ貸せ嵐山。
迅の後輩とやらの実力を確かめたい」

「ほう」

「あの人は…!?」

「A級3位風間隊隊長だ」

尋ねる三雲に烏丸が答える。

「待ってください風間さん!彼はまだ訓練生ですよ?
トリガーだって訓練用だ!」

「俺は別にやってもいいよ」

「ふーん…蒼也、空閑くんはまだ『こっち』のトリガーには慣れてないし、嵐山が言った通り訓練用よ。本来の力なんて出せないわ。
ちょっとここでの戦闘は許可を出来かねるわ」

すこし剣呑そうな表情で奏がそう言う。

「違いますよ。そいつじゃない、俺が確かめたいのは…お前だ三雲修」

と三雲の方へ視線を動かす。

「…え!?」

「オサムと…」

「風間さんが模擬戦…!?」

「……蒼也…?」



正式入隊日




*
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ