司令の戦闘人形

□人形の実力
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フィールドに転送される遊真とフェルミリア。

「…何だあの格好は」

「かわいいでしょー!」

「えっと…」

フェルミリアは以前設定されたトリオン体だった。

「あれって白雪姫ですか?」

「そーよ!この間多数決で決まったのよ」

「…戦いにくいだろうあ『トリオン供給器官破壊 空閑 ダウン』

「!」

「早かったなー」

少し目を離した一瞬。
その瞬間に勝負は決まっていた。

「え…?(空閑が、瞬殺…!?)」

『二本目 開始』

「不意打ちは卑怯だね」

「戦いに卑怯も正々堂々もないよ。勝てばいい。負ければ、死ぬだけ」

そう言うとフェルミリアは素早く弧月を抜き正面へ走り出す。

「そう何度も同じ手は…!」

バギィンッ

出したスコーピオンブレードを弧月で叩き割られる。

しかしそれは遊真でも予測できている。
反対から隠し持っていたブレードを前へ振りかざす。

しかし

ダンッ

フェルミリアが上へ上がる。

「!」

先程までフェルミリアがたっていたところには四角い板のようなものが設置されている。

「グラスホッパーだ」

「グラスホッパー?」

「踏むとバネみたいに跳躍できるトリガーだ。上空に上がる時にもいくらトリオン体といえども瞬時に上がれないからな。あれがあればかなりのスピードで上空に上がれ、瞬時に移動もできる。
遊真みたいな小回りのきくトリッキーな戦いをする奴は大体使ってるし、そうでなくても便利だからオプショントリガーとしてかなりの人数がセットしてる」

「それを使って瞬時に判断して空閑の斬撃を躱した…」

滞空時間が異様に長く感じる。

その時、

キィィインと大きいトリオンキューブが彼女の頭上に出現した。

「!しゅ、射手!?」

「よく見ておけ修」

「ハウンド」

無数の弾が遊真へ様々な方向、軌道から襲う。

しかしそこは持ち前の反応と経験で間一髪ながらも全て防いだり避けていた。

「ふん!さっすが遊真ね!」

と小南が胸を張ったのだが、



ボッ!!


「!!」

『トリオン流失過多 空閑 ダウン』

どこからか飛んできた弾が遊真の腰から足にかけてを吹っ飛ばした。

「え!?今、全部避けましたよね!?」

「修。ハウンドの性能は?」

「え!?…自動で対象を追尾する誘導弾で、自分で誘導させる方法と自動的にトリオン反応を追尾する弾…です」

「よく覚えてたな。でも、欠点がある」

「欠点?」

「速度が早すぎると正確に追尾ができないことだな。だが遅すぎても避けられる。だからこそ調節が難しく大体が自動追尾を使って攪乱や牽制を主な目的として使われる。それを使ってフェルはもう一つ弾を使った」

「もう一つ?」

「バイパーだ 」

「バイパーって…変化弾の?」

「あぁ、ハウンドに比べて様々な目的で使われる自由度が高い弾だな。でも、大体の奴はある程度弾道を設定してるからフェル達ほど自由度は高くない」

「というと…?」

「戦況に応じてリアルタイムで弾の軌道を決めてその通りに打ち出してるんだ
今のあいつもハウンドの中に軌道を変えたバイパーを混ぜていた」

「リアルタイムってそんなことできるんですか!?」

「射手は難しいと言われる由縁だな。銃手はそれができない。銃から出される弾にはそれ程の自由は効かない。でも射手はその場で考え判断する奴は特にバイパーやハウンドで戦略を練ることが多いな。本部のトップクラスの射手もそうだ」

「(本部…A級…!僕にもそのセンスがあれば…!)」

『三本目 開始』


ブースにアナウンスが響き渡った。


────────数分後


「遊真!!あんた一本も取れないってどういうことよー!!」

「いやーフェル先輩強いね。それに、面白いトリガーも見れたし」

小南に首を締められ頭を叩かれながらそう言った。

「…じゃあ次はここまで上がってきて」

「!」

その言葉に反応したのは遊真ではなく修だ。

「次は負けないよ」

「君達三人相手でも私は負けないよ」

そう言うと踵を返す。

「迅、私帰る」

「おー了解。じゃあ俺本部にフェル送ってくるわ」

「あぁ」

そして迅と共に廊下へ消えていった。


人形の実力


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