司令の戦闘人形
□人形と新人くん
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「おはよーレイジさん、京介ももう来てたのか」
「起きたか。おはよう。なんだフェルはまだ寝てるのか」
「覚醒してないだけって感じ?」
とウトウトするフェルミリアに各々目を向ける。
「あの、迅さん…その子は…」
と初めて見る彼女に三雲がきいた。
「あぁ、あった事無かったか。フェルミリア・クロイツ。城戸さんの第1部下だよ」
「き、城戸司令の…!?」
「説明しよう!」
と横から宇佐美が飛び出してきた。
「フェルミリア・クロイツ隊員!通称フェルちゃん。城戸司令の戦闘人形と呼ばれている現隊員最古参の隊員だよ!C級隊員には知らされてないけど実は近界民なのだ!」
「ほう。そいつも近界民なのか」
「遊真、修、あんたたち知らないかもしれないけどそんなナリでもその子、16歳よ!」
「え、ええええー!?!?」
「俺といい勝負だな」
そう騒いでいると
「…るさい…」
と、ムクッと顔を上げた。
「お、起きたか」
「じん、おろして。れいじさんおはよ」
未だに眠いのか舌っ足らずに挨拶し、ダイニングへ近づく。
「おはよう。さっさと食え」
「ん…」
と席に座り箸を手にした。
「で、でも、フェルミリアさんは城戸司令派なんじゃ…どうして玉狛に…」
「…わたしは、はばつとか、関係ないから。城戸さんは絶対。でも、それは派閥とかじゃないから…ところで、私、なんで玉狛にいるの?」
と目が覚めたフェルミリアはいつも垂れている目を少し釣り上げ迅を見る。
「いやー、同じ近界民なんだし遊真と会っておいて損はないだろうしな〜って思ってな」
「…あぁ…黒トリガーの…」
「どうもどうも。空閑 遊真です。よろしくおねがいします。フェル先輩」
「…フェルミリア・クロイツ。よろしく」
「み、三雲修です!宜しくお願いします!」
「うん…」
すると突然
「ねぇ、フェル先輩。戦おうよ」
と楽しげに笑う空閑が戦いを申し込んだ。
「遊真何言ってんの!?あたしに勝ち越せないようじゃフェルとやっても一本も取れないわよ!」
「ほう。小南先輩が負けるほど強いのか。ますます興味深い」
「まぁまぁ、小南。遊真もボーダートップと戦ういい機会だ。強さを見ておくのもいいだろ?フェル、いいか?」
迅が小南を諌めた。
「…別にいいよ。桐絵、大丈夫だから」
「後であたしともやってよね!」
「ん。分かってる…」
と彼女は一息つくと箸を進めた。
人形と新人クン
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