司令の戦闘人形

□人形のわがまま
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当真は狙撃ポイントから動きを見る。

「あ?嵐山さんだけ?あ、木虎はバッグワーム使ってんのか?にしてはフェルは? 」

「嵐山さんを囮にして木虎、クロイツに奇襲させる気だろう。機動力があいつ以外ない向こうにはそれくらいしか打つ手がない。クロイツなら火力ゴリ押しの戦いをしそうだが、民家を巻き込まない嵐山さんがなくとも味方がいる場合はそれができない

…いや、佐鳥はまだ緊急脱出してないか…一応狙撃も警戒しておけよ」

と上空から出水が嵐山を見つける。

「嵐山さん見っけ

メテオラ」

炸裂弾の雨を嵐山に浴びせる。
盾でなんとか凌ぐも周りからはまだまだ雨が降り注ぐ。

その様子を上から当真は見ていた。

「うおお耐えるな!嵐山さん」

「深追いするなよ。木虎とクロイツの奇襲を最警戒しろ」

木虎の機動力は死んでいる。クロイツはともかく木虎はこの近くに潜んでるはずだ。
と三輪は思考し辺りを見渡す。

「出水。クロイツの動きを警戒して上も見ておけ」

「はいはい」

そこで三輪は嵐山に向き直る。

「嵐山さん。あんたの有能な部下と精鋭の援軍はどこに行った?

あんたを囮にして奇襲するんじゃないのか?」

「…それはどうかな?」

冷や汗を流す嵐山。

「うわあ嵐山さん嘘下手だな〜」

「(…全く。そのとおりだね)」

軽くため息をつき出水、三輪を見る。

ドンドンッと三輪が嵐山に鉛弾を打ち込む。
その重りで腕が下がる。

「まぁいいどちらにしろ一人ずつ潰していくまでだ」

通常弾の雨をまた二人で嵐山に向ける。
それを避けるためテレポートで移動する。

がそれは当真に見破られる。
しかし、


「フェル!?」


「…バイパー、ハウンド…ギムレット」

ドゴゴンッ


テレポートした嵐山の前にフェルミリアがテレポートし当真のスコープを見つつ、出水、三輪に三つの弾を飛ばす。


「ゲェッ!テレポーターの先を狙うのやっぱバレて !?」

次の瞬間

ドッ

という音と共に当真の頭が一刀両断される。

────おいおいなんで木虎がこんなとこまで登ってきてんだ?さっき片脚吹っ飛ばしたはず…


「!!」

木虎はスコーピオンを足から生やし、足がわりに使っていた。


──────「スコーピオンは体のどこからでも出せる。もう、わかる?」

「スコーピオンを足がわりに使い、上に登る…っていうことですね」

「うん。あまり負荷はかけられないから着地には向かないけど駆け上がる分には支障はない…と思う…」

「いえ、そんな機転私なら効きません。さすがフェル先輩です」

──────

当真が緊急脱出。


「!?」

「はあ!?当真さん…!?」

「…木虎ちゃん…うまくいったみたい…」

「うちの作戦はお前の言う通り『俺を囮にしての奇襲』だよ」

と笑う。

「…嵐山!!」

と三輪が逆上し銃口を嵐山へ向ける。

それを見越してフェルがまたトリオンキューブを大量に生成する。

が、

ドドンッ

と三輪と出水の腕が吹っ飛ぶ。

「!!」

「OKOK 今度は当てたぜ出水先輩」

「佐鳥…!」

佐鳥の弾により三輪、出水両名の片腕を落とす。

「広い場所で戦ったのは失敗だったな。三輪」

「…まだだ!!」

と弧月を抜こうとするも背後で二つの閃光がまた飛んだ。

「…終わった」

「くああ〜〜!負けたか〜〜〜!

つーか迅さん6対1で勝ったの!?太刀川さんたち相手に!?黒トリガー半端ねーな!」

「任務達成ですね」

「嵐山さん見ました?俺の必殺ツイン狙撃」


「ああ、木虎、賢よくやった。それにフェルも。助かったぞ」

と空いている手でフェルミリアの頭を撫でる。


「充と綾辻もよくやってくれた」

「どうもです」

「お疲れ様です」

「作戦失敗か〜〜〜〜〜フェルがいたにしても5位のチームに一杯食わされたのは腹立つな〜」

「公平、油断するからそうなるの」

「フェル先輩の言うとおりです。うちの隊はテレビや広報の仕事をこなした上での5位なんです。普通の5位と一緒にしないでもらえます?」

「相変わらずクソ生意気だな木虎…」

「出水先輩俺のツイン狙撃見た?」

「あーうるせーうるせーさっさと帰れ…っと、フェルは本部戻るんだろ?」

と聞く出水にフェルミリアが肩を揺らす。

「……分かんない…行くところ、無いかも…」

と俯く。


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